２３ ページ24
───────…
午後の仕事もなんやかんや終えると、
同僚『ささ、Aさん！ソウル市内でいっっちばん美味しいコプテギ屋に行きますよぉお〜♪』
『ふふっ、仕事終わりの方が元気ですね？』
同僚が盛り上げながら皆を
集合させる。
正直俺は、
こういった呑み会に参加したことが
ないから当たり前のように誘われてない。
俺も行く、
このたった一言がなかなか出ない。
そんな時だった。
『ぐぅは行かないの？』
皆の輪からタタタッと俺の元に来て
首をかしげる彼女。
わ、可愛い…
同僚『あーーーAさん、
コイツいつも呑み会来ないんで♪』
『えぇ…じゃあ人見知りしちゃうし私も行か』
同僚『ああああ！！！
行く、行くよなジョングギ？！な？！な？！！』
「…うん。」
同僚『行く、行くそうですAさん！』
『ふふっ、じゃあ行きます♪』
俺が居なかったら行かない選択を
しようとしたヌナ…
なにそれ、
「…ほんと、ずるいよね。」
『んん？』
「うぅん、呑み会なんて久々だな〜って。」
『ふふっ、私も久々コプテギ〜♪』
ほんと、ずるいよ。
何年経ってもこうやって
気付こうともせず無意識に
俺の心を弄ぶんだから。
こうしてやってきたコプテギ屋で
それぞれ談笑しながら呑んだり食べたり。
まぁ話の中心は質問攻めに遭ってる
彼女なんだけど。
“え、なんで学生時代韓国に居たの？”
『あー、父親の転勤で。』
“じゃあ次俺〜！か、彼氏は居るの？”
『えー？、そんなの居ないですよ？』
よし！！…よし？
何で心の中でガッツポーズ決めてんの俺。
どうせ俺は弟なのに。
“そうなの？！じゃあ好きな人は？”
『んー…いますよ、ずっと。』
“え、てことは片思い？！こんな美女が？！”
『美女ではないですけど…はい、片思いです。』
“どんな人どんな人？”
『ふふっ、んー…秘密ですっ。』
そう答えている間の彼女の表情を
俺は知ってる。
少し照れて、
愛おしそうな顔するくせに
どこか切なげな…
そんな彼女の何度も見てきた表情は、
忘れもしない…
彼女が片思いしてるのは
…テヒョンイヒョンだ。
ここからどれだけ酒を吞んだか
記憶にない。
やっぱり何年経っても
悔しくて悔しくて…
でも俺がまだAヌナを想うように
彼女もテヒョンイヒョンを想っていて、
その苦しいほどの一途さが
切なさを増していく…
「………っ、」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 208人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぽんさん。 | 作成日時：2023年11月15日 18時
