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─────…





そう言って、
本当にありがたかったと
俺の手を握るヒョン。




「…別に、Aヌナが可哀相だからとか
ヒョンが気まずくならないようにとか、

そんな、同情みたいな気持ちで
そばに居たわけじゃないですから。」




俺のそんな言葉に、


TH『…うん、知ってる。』



そう言って俺を抱き締めて言うんだ…



TH『…Aのこと、
特別に想ってるからだよね?』



そう言った後、
グギもつらかったよね?


そう言って背中を擦ってくれた。



「……っ、」



それに何も応えることが出来ない俺は、
代わりに1つ言葉を贈った。



「…当時どれだけヒョンが苦しんだか、
気付いてあげられなくてごめんなさい。

でも、生きていてくれてありがとう…」




俺がそう言うとヒョンは、
少し驚いた表情をしたあと
イヒヒッと四角い口で笑って


TH『グギ、本当にありがとう。』




そう言って握手をした。




それからはヒョンが持ってきたお菓子を
つまみながら他愛もない話をして、



しばらくするとヒョンは
帰っていった。









1人きりになった部屋で、
消化しきれていないヒョン達の
出来事を振り返る。





2人がどれだけ苦しんだのか、



想像するだけで涙が止まらなくなる。





彼女にとっても、
ヒョンにとっても、

お互いがどれほど大きな存在なのか…




考えても検討すらつかない。






親友を亡くす、


家族を亡くす…




それがどれほど心が蝕まれ、
壊れてしまいそうな心情になるのか



そんなこと、
分かってあげたいだなんて
おこがましいことこの上ない。








でも、それでも…




彼女が抱いたであろう
失恋の悲しみ、




相手の幸せを願う気持ち…



身を引いて諦めているつもりでも
心の中では思い続けている恋心…





そしてそれらの純粋な気持ちが

どれほどの傷跡を
自身の心に刻んでいくのか、






それだけは自身の経験がある分
理解出来ると思った。





それと同時に、
彼女がヒョンを思い続ける限り
俺の気持ちは彼女に届かない、


彼女の心に俺は映らないんだってこと
完全に悟らざるを得なくなった…




だってそうでしょ?
彼女と俺は今



“おんなじきもち”




なんだからさ。






泣いても笑っても
どうせあと2週間でヒョン達の卒業式。



そうしたらきっとAヌナと
会える回数も減るだろう。



だったら最後まで笑顔でいたい。
“弟”として心配かけないようにね。

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作者名:ぽんさん。 | 作成日時:2023年11月15日 18時

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