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────────…
それは、
テヒョンイヒョンが育ての親同然の
自分のお婆さんを亡くして間もなく…
人に優しく生きなさい
たくさんご飯を食べて
たくさんお友達を作って
たくさん笑って生きなさい
簡単そうに感じるその言葉が、
お婆さんを亡くしたヒョンには
その当時、
すごくすごく難しかったんだって。
初めて愛した人に傷つけられた時も、
いつも我慢して笑っていられたのに
女遊びをして虚しくなっても
ずっと笑顔を絶やさずいられたのに
どうしてこんなに今、
笑うことが苦しくて堪らないのか
どうすれば笑って生きられるのか
お婆さんに聞きに行こう…
そうすればきっと楽になれる…
そう思って校舎の屋上のフェンスを
乗り越えようと足を掛けたその時、
『…ねぇ、
私も一緒に連れてってくれない？』
後ろからそんな声がして
振り向けば、
そこには目が虚ろで
この世に未練なんてなさそうな顔した
Aヌナが立ってたんだって。
その表情が気になって、
彼女にどうしてキミは死にたいの？
そう聞くと、
『大切な人を、守れなかったから。』
そう、
悲しそうに呟いた。
日本に残してきた親友が
自ら命を絶ったことを
さっき日本の友人から連絡があって
知ったと…
そう言って流した一粒の涙が
あまりにも幻想的で…
ヒョンは思わず
TH『…じゃあ、その親友の代わりに
今死のうとしている俺をキミが守ってよ…』
そう口にした途端、
彼女はヒョンを日本の親友と
重ね合わせたかのように
『死んじゃいや、いやだ、いやだよ…』
縋りついて泣きじゃくったんだって。
それにつられてヒョンも、
今まで我慢していたものがプツンと切れて
泣きながら抱き締め合った。
そうしてひとしきり泣いた後、
お互いの話をたくさんして
支え合うことを約束したんだって。
──────…
─…
TH『だけど俺は、弱かったから…
Aに支えて貰うばかりで
最後は約束を裏切った…
それなのにAはあの時俺の背中に
小さい声で言ったんだ。』
“テヒョン…
生きてさえいれば、それで良いんだからね”
って。
そしてまたそれに甘えて
ずっとずっとAを傷つけてるの
分かってて…
それでも、
逆に突き放したところで
更に深い傷を負わせる気がして
何も出来なかった…
TH『でも、俺と別れてからいつも
グギがAのそばに居てくれたでしょ？』
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作者名：ぽんさん。 | 作成日時：2023年11月15日 18時
