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───────…



────…




そして彼女はとびっきりの笑顔で

『はっぴーばれんたいん♪』


そんなこと言うからつい、


「…これ、本命?」


そうあり得ない事を聞いてしまった。
もちろんその返答は

『ふふっ、本命ならもっと頑張るよ。』



玉砕。


『でも、これにしよって決めたのは、
ぐぅの喜ぶ顔が目に浮かんだからだよ?』




あぁ、そうやってまた
俺の心を離さないんだから…


「……どうせなら肉が良かった。」


そんな冗談に逃げる俺に、


『ぇえ?!肉?!難しいこと言うねー?』


なんて真に受けるから


「ふふっ、いや、これで充分っす。」


バレンタインに会えて嬉しかったなんて、

バレンタインじゃなくても
彼女が会いに来てくれて嬉しかったなんて、


そんな素直にはなれないから、
それが俺の精一杯のありがとうの気持ちを
伝えれば



また彼女は微笑んで


『ぐぅ?また卒業式でね?』


そう言って手を振ると
いつもの道で別れた。




次に会えるのは卒業式…か。



これで最後になるのかな?



それとも卒業してもこうして
時々なら会えるのかな?



そんな分かりもしない未来を
ぼんやり想像しながら
歩いていると



さっき別れたばかりのテヒョンイヒョンが
家の前で俺を待っていて

TH『おーーーーい♪』


なんてコンビニ袋をぶら下げて
手を振っている。

この人は本当、無邪気だな…



だから彼女は好きなんだろうな。



そんな気持ちを払拭するように
俺も手を振り返す。



TH『わ〜グギの家久しぶりだ〜!』
「まぁ、それで?何か用でしたか?」


はしゃぐヒョンに
単刀直入に聞く。


すると、
いつもと打って変わって真剣な表情を
するからこっちもなんとなく構える。


TH『いや、グギにありがとうって
ずっと言いたかったから来たんだ。』


「え?」

TH『…Aのこと、
ずっと支えてくれてたでしょ?』


「……いや、」


TH『Aは優しいから、
俺が気まずくならないように
別れてからもそばに居てくれた。』


でもそれはAにとって
本当に苦しかったと思う…


そう言って涙を溢すヒョン。



TH『俺達の出会い、聞いた?』
「…まぁ、ジミニヒョンから、少しだけ。」




初めて本人から明かされたその出会いは、
あまりにも切なくて苦しいものだった。

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作者名:ぽんさん。 | 作成日時:2023年11月15日 18時

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