LINARIA─この恋に気付いて─ (ページ14)

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そんなことを思いながら
過ごす毎日は、
苦しさと嬉しさの葛藤をしていれば
あっという間に過ぎて

あれよあれよという間に
３年生は自由登校になった。

ヒョン達の姿も、
Aヌナの姿もない校舎。

同じ学年に友達が居ない訳じゃ
ないけど、

なんだか1人、
置いて行かれてるようで
寂しかった。

いつも昼休みにはあのベンチに集まって
くだらない話をしてたっけ。

放課後はヒョン達と下駄箱で合流して
一緒に帰ってたっけ。

なんで俺だけ、
歳が1つ下なんだろ。

まだヒョン達が学校に来なくなって
2週間しか経ってないのに、

そんなことを思いながら受け取る
どうでもいい子からの本命チョコ。

“ずっと前からジョングクのことが好きでした！”
“私と付き合って下さい”
“先輩のこと、ずっと見てました///”

「ありがとう。でもごめんね。」

皆、強いな。

他人事のようで他人事ではない
そんなイベント。

可能性がないのに思いを伝えて、
皆悲しくならないのか？

俺はそんな思いしたくないし、
する勇気もないや。

下駄箱に入れられた手紙付きの
チョコを回収して
校門を出ようとした時だった。

『よっ！』

「…ヌナ？」

『はっはーん、さては皆が居なくなって
寂しかったんでしょー？』

校門の陰からひょこっと顔を出して
いたずらに笑うAヌナ。

「…別に、寂しくなんかないし。」

図星をつかれてムスッとする俺に、

『あ、そ？
皆ごめんぐぅ寂しくないんだって。解散！』

そう彼女が言うと、
隠れていたヒョン達が出てきて

TH『えーー？せっかく来たのに～？』
JM『久々にこのメンツで遊ぼうと思ったのにな～。』

そう言って背を向けて帰ろうとするから、

「わ、待ってよ！！待ってってば！！」

そう言って走れば、
３人は笑顔で俺を迎えてくれて

『一緒に帰ろ？』

そう言ってくれちゃったり
するもんだから

TH『あれ？グギ泣いてる？』
JM『そんなに俺達が恋しかったの？ふははっ』

「泣いてません！！！」

ゴシゴシっと強めに涙を拭えば
心がパッと明るくなる。

こうして久しぶりに
たくさん遊んでヒョン達と別れ

彼女と二人きりの帰り道。

『楽しかったねー。』
「来るなら連絡してくれれば良かったのに。」

憎まれ口しかきけない俺に、
ふふっと笑った彼女は

『拗ねるな拗ねるな。』

そう言ってバナナキックのチョコ味を
くれたんだ。