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─Aside─
源氏名:涼宮アリス
この店で働き始めて2年半だけど、ここ2年連続ナンバー1キャバ嬢として在籍している。
お陰で黒服と呼ばれる内勤も、金回りの良い客と判断すれば必ず私を付けてくれる。
どうしてキャバクラなんかで働いてるの?なんて客によく聞かれるから、
家があまり裕福ではなく、自分の大学の費用、それから弟がいずれ入るであろう時の大学費用を貯めたいから…なんて最もらしい事を言ってはいるが、
実際の所、それは金が欲しいからであってそれ以上でも以下でもない。
私には“金”でしか買えないモノがあるから。
内勤
「アリスちゃん、V3卓行ける?」
『え?若いの2人?』
内勤
「そう、最近流行のYouTuberで掴めば結構太いと思うからさ、頼むよ〜?」
『そう…分かった、じゃあ滝川社長の所ルカちゃんとナミちゃん着けといて?』
内勤
「了解っ!」
バックルームでそんな話を内勤とした後、
若くしてお金持って、お水の世界の遊び方も分かりきってないバカな男の子2人ってとこかな?
そんな分析をしながら席に着く。
『わぁ〜、楽しそう!私もご一緒してよろしいですかー?♪』
「どうぞどうぞぉ〜〜♪」
『私、アリスって言います、お名前伺ってもよろしいですかー?♪』
「あぁ〜アリスちゃん、ワシはてつやですぅう〜♪」
─────────…
────…
内勤
「今日もお疲れ様ー!送り必要な子は言ってね〜!」
「「「はぁーい♪」」」
内勤
「じゃあ明日は店休だから明後日よろしくね〜。」
『はーい、お疲れ様でーす。』
さぁ、これから私は週に1度の買い物に行くの。
こんな夜中に何を買うって?
「お疲れA〜っ、ちょっと寝てなよ、同伴時間になったら起こすから。な?」
『…うん、ありがとう流星。』
────────…
───…
「お客様ご来店でぇぇえーーーーす!!!」
/
らっしゃっせえぇぇぇえ〜!!!!
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流星
「A、今日はどうする?」
『ん〜、とりあえずモエロゼかな。』
流星
「ありがとう、A。俺本気でお前だけだよ。」
『ふふっ、私も。』
そう、私がお金で買うものは、
─── 偽の愛 ───
暗めの店内、テーブルにスパークリングのグラスを並べた恋愛ごっこを、この流星とする為。
ホンモノの愛なんて、正直知らない。
でも、ニセモノならどう?
お金を積めば何だって思い通りに進むの。
私には、こっちの方が性に合ってる。
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作者名:ぴーさん。 | 作成日時:2018年11月5日 15時