Blue Moon。(ry) ページ25
ある日、父に頼まれて企業の社長さんとかお偉いさん達が集まるパーティーに参加した。
あんまり堅苦しい場所が好きではない俺は、ちょっとお手洗いに…なんて適当言って外の空気を吸いに行ったその時、
同い年、いや少し年上っぽいな。
まぁその位の歳の女の人も同じように外に出て来たんだ。目が合った気がしたからペコッと頭を下げて挨拶をすると、その女の人は少し口角を上げて微笑み、同じように頭を下げた。
その時に肩からスルッと滑り落ちる長い髪の毛と、今まで出会ったことのないような上品に微笑む女の人の色気。
────高嶺の花って、
こういう人のことを
言うんだろうな──────
すると彼女は、独り言を言うかのように視線を合わせることなく
『…夜通し照らすこのお月様が疲れてしまっても、朝になれば太陽が寄り添って癒してくれるのよね?』
そう言って夜空を見上げる彼女の瞳は、どこか儚くて寂しそうで…
けど、それでさえも色気として纏っている彼女に圧巻されてしまった俺は
そんな瞳に吸い込まれて────…
りょう
「……そう、ですね?」
としか言えなかった。
しばらくすると、彼女の元へ男の人がやって来て耳元で何かを囁いたかと思えば、腰に手を回し彼女を会場の中へと連れて行った。
少し時間を開けてトイレに寄って戻ろうとしたその時聞こえてきたお偉いさん同士の会話───…
「いや〜、それにしても山田グループもよくやるよ。」
「全くだ。あの結婚はなんせこれからの企業展開の為に娘を売ったようなもんだろう?」
「売った、なんてそんな事立ち聞きされたら私達の会社潰されますよ?
娘さんの幸せを思って、斉藤議員の息子と結婚させた!ですよ?(笑)」
「それにしても10年も経つと言うのに、まだ子供も出来ないってんだから。」
「そりゃあ仕方ないさ、娘のAさんは16になったばかりで37歳の男に嫁がせられてしまったんだから。愛情もくそもないさ。」
なんか、大人の世界ってやつなんだろうな──…
なんて思いながら歩いていると、父に呼ばれて挨拶回りに付き合わされた。
そしてさっき耳にした山田グループの社長さんと挨拶を交わしていた時だった。
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作者名:ぴーさん。 | 作成日時:2018年11月5日 15時