80話 ページ35
一方、同じ時、別の場所にて______
「いたか！？」
「わからん！いいか、油断するなよ、相手はプロだ！」
所々水溜まりができた石作りの空間に、そんな声が反響する。
その音が十分に遠ざかるのを待って、先程の声の主たちが通りすぎた道の横にある排水溝からするりと出てくる男が一人。
(うーむ、アホやな。音でわざわざ居場所を知らせてくれるとは)
敵ながら心配になるレベルや…と、出てきたゾムは小さく首をふった。
(にしても、もう使われてへん地下道にしては警備の奴等が多いな…)
昨夜からずっと地下にこもっているゾムは、自身が指名手配されていることなど知るよしもない。
だがしかし、頭のいい彼はすぐに正解にたどり着く。
(…誰かが、手引きしたってことやろな)
ここに来ることを知っているのは、というか言っていたのはエーミールしかいない。あの彼が敵国に情報を売るわけはないのできっとどこかでそれを聞いたネズミの仕業に違いない。
(まぁしゃーないな。まとめて相手したろ！)
元気にうなずいてゾムは先へと進んでいく。
そして、数分進んだ時、彼は確かに聞いた。
『みゃあ』という、どこか苦しげなその声を。
「…？」
…猫？こんな地下に？何で？
様々な疑問が彼の脳裏を駆け巡る。
しかし、とある脇道へ差しかかった時、彼はその答えを知った。
行き止まりの道の終わり。こっちは使われているのであろう配水管からドボドボ出ている水の滝。その滝の下においてあるガラスの水槽。そして________
「…っ、この…っ！」
頭のいい彼は途中で罠だと気づくが、しかし、それにかからざるを得ない。
_____何やかんや優しい彼に、その水槽の中で溺れかけている子猫を助けない選択肢などない。
繋がれた子猫を何とか掬い上げ、その鎖を切った時。
「_____かかったな！」
ひどく歪んだ声とその顔は、真っ直ぐゾムに銃を向けている。
(______あ、これ、俺死んだ)
避ける暇すらなくその指が引き金にかかって________
___________銃声。
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ポピー(プロフ) - もし、“お知らせ”に記されている中から選ぶのなら、トン氏で。記されていなくても良いのなら、ゾム氏をよろしくお願いします！設定が凝っていて面白いのでつい全部一気読みしちゃいました！更新頑張ってください！ (2018年11月25日 21時) (
レス) id: 8149f9681e (このIDを非表示/違反報告)
ななか(プロフ) - ロボロに一票。最近の生きがいです、ありがとうございます。 (2018年11月22日 23時) (レス) id: c06d19efdc (このIDを非表示/違反報告)
マロウブルー - ももさん» す、素敵な文章…！？ありがとうございます…！はい、トントンさん二票目でございますね！そしてまさかのテストの応援まで…！実は真の敵は明後日だったりします(笑) (2018年11月20日 15時) (レス) id: 75a1a6830c (このIDを非表示/違反報告)
マロウブルー - 柏餅さん» 回答ありがとうございます！ロボロさん一票いただきました！ (2018年11月20日 15時) (レス) id: 75a1a6830c (このIDを非表示/違反報告)
マロウブルー - 白人さん» 回答ありがとうございます、トントンさん一票目です (2018年11月20日 15時) (レス) id: 75a1a6830c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マロウブルー | 作成日時：2018年11月7日 17時
