78話 ページ33
「ぐすっ…ひっく」
「…落ち着いた？」
「…はい…」
ひとしきり泣きじゃくり、ようやくアイルが言葉を取り戻す。
「…その、オスマンさん…」
「ん？謝り事とごめんなさいはなしやで」
「…ありがとうございました」
「え？」
「私のために、怒ってくださって。…不謹慎だと思いますけど…とっても嬉しかった」
ふわりと、本当に嬉しそうにアイルが微笑む。
「…ううん、こっちこそ。ごめんな、結局庇いきれんかった…」
「謝り事とごめんなさいは無し、ですよ」
「…よかった、いつものアイルちゃんや」
「オスマンさんも、いつものオスマンさんに戻りました。意外に怒ると怖いんですね、オスマンさん」
「いや、今回は特別やよ。好きな子が侮辱されたらああなるんやなって自分でも新発見…」
そこで、え？、と固まったアイルの顔が軽く赤面したのを見、自らの発言を止めると共に振り返って。
「あ」
その顔も赤く染まる。
「あ、いやその、今のは…ああぁぁぁ…」
「…冗談ですか？」
少し悲しそうなアイルの声。
「ちゃう！冗談じゃない！けど…！言うタイミング…！」
ああぁぁあ、と頭を抱えるオスマンにくすりと微笑むと
「…私も、オスマンさん好きですよ」
「え？」
「嫌いな人の前では絶対に泣きません」
そう言って、再びアイルがオスマンに抱きつく。
「守ってくれたお礼にあげられるものが何もないので…」
自分でやったのに照れて、あわあわと言い訳を始めたアイル。その姿がとても可愛らしくて、
「…お礼、くれるん？」
ふわっとソファにその体を押し倒す。
「え？え、その、えっと」
途端にアイルが慌て出す。
「じゃあ…」
_____君のすべてを俺にくれへんか？
返事は、紡ぐ前にその口に吸い込まれて消えた。
(死にそうになっているトントンをしんぺいが引きずってきて颯爽と扉を開けるまで、残り4分)
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ポピー(プロフ) - もし、“お知らせ”に記されている中から選ぶのなら、トン氏で。記されていなくても良いのなら、ゾム氏をよろしくお願いします！設定が凝っていて面白いのでつい全部一気読みしちゃいました！更新頑張ってください！ (2018年11月25日 21時) (
レス) id: 8149f9681e (このIDを非表示/違反報告)
ななか(プロフ) - ロボロに一票。最近の生きがいです、ありがとうございます。 (2018年11月22日 23時) (レス) id: c06d19efdc (このIDを非表示/違反報告)
マロウブルー - ももさん» す、素敵な文章…！？ありがとうございます…！はい、トントンさん二票目でございますね！そしてまさかのテストの応援まで…！実は真の敵は明後日だったりします(笑) (2018年11月20日 15時) (レス) id: 75a1a6830c (このIDを非表示/違反報告)
マロウブルー - 柏餅さん» 回答ありがとうございます！ロボロさん一票いただきました！ (2018年11月20日 15時) (レス) id: 75a1a6830c (このIDを非表示/違反報告)
マロウブルー - 白人さん» 回答ありがとうございます、トントンさん一票目です (2018年11月20日 15時) (レス) id: 75a1a6830c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マロウブルー | 作成日時：2018年11月7日 17時
