49話 ページ3
「は…？」
数秒の沈黙の後、響いたのはそんな声。
「あいつが？泣いて？」
「ええ。それはもうひどい状態です。
…おかげで店は潰れそうですよ。どうしてくれるんです？パティシエのいないカフェで何を売れと？」
「あ、いや、その…」
「ちょ、ちょっと待ってアイルちゃん。それは_____」
グルッペンにはどうしようもない____と言おうとしたトントンの口をオスマンがふさいで、まるで援護射撃かのようにアイルに便乗する。
「それは大変やねぇ。グルッペン、どうするん？お前のせいでアイルちゃん仕事失いそうなんよ？」
普段なら、何をそんなと一蹴されるような議論だが______完全に動揺しているグルッペンは頭が回らない。
「ど、どうしたらええんや」
「んー、あ、そうだ。お仕事頼もうよ。バイト」
閃いた！とオスマンがわざとらしく手を打つ。
「バイト？ですか？」
「そう、お姫様のお世話係！調度女の子雇わなあかんなって言ってたやろ？アイルちゃんならピッタリ」
「な、なるほど…では、それでどうだ？」
「わぁ、それなら許します！やったー！」
棒読みのアイルとオスマン。
相変わらず混乱状態のグルッペンに、騙されるな！それ絶対グルやろ！…というトントンの心の叫びは届かない。
かくして、(半ば無理矢理にではあったが)アイル=カスティーリアは一週間限定のカトレア姫付きのお世話係になることを許されたのである。
(…ぷはっ、オスマン！何考えとるん！？)
(んー、頼れる男に見えたかどうか？)
(は、はぁ？)
もう一度言おう。誰にも知らせていないが_______オスマンは、アイルに惚れているのである。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 599人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ポピー(プロフ) - もし、“お知らせ”に記されている中から選ぶのなら、トン氏で。記されていなくても良いのなら、ゾム氏をよろしくお願いします！設定が凝っていて面白いのでつい全部一気読みしちゃいました！更新頑張ってください！ (2018年11月25日 21時) (
レス) id: 8149f9681e (このIDを非表示/違反報告)
ななか(プロフ) - ロボロに一票。最近の生きがいです、ありがとうございます。 (2018年11月22日 23時) (レス) id: c06d19efdc (このIDを非表示/違反報告)
マロウブルー - ももさん» す、素敵な文章…！？ありがとうございます…！はい、トントンさん二票目でございますね！そしてまさかのテストの応援まで…！実は真の敵は明後日だったりします(笑) (2018年11月20日 15時) (レス) id: 75a1a6830c (このIDを非表示/違反報告)
マロウブルー - 柏餅さん» 回答ありがとうございます！ロボロさん一票いただきました！ (2018年11月20日 15時) (レス) id: 75a1a6830c (このIDを非表示/違反報告)
マロウブルー - 白人さん» 回答ありがとうございます、トントンさん一票目です (2018年11月20日 15時) (レス) id: 75a1a6830c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：マロウブルー | 作成日時：2018年11月7日 17時
