63話 ページ18
「…ん、_____きて、Aさん！」
「あと一時間…」
「一時間！？」
耳元で聞こえた驚きの声にんあ？と目を開き、何だ何だと起き上がろうとして、腕が動かせないことに気がついて「うあっ！？」とAが情けない声を出す。
「あ、起きた」
同時に響くほっとした声。
「…あれ？ひとらんさん？」
「うん、俺。おはようAさん。…今がいつかちょっとわからないけど」
「おはようございます…ってんん！？」
まだ半分寝ぼけていたAはそこで初めて自分がひとらんと背中あわせで後ろ手に、柱に縛られているという異常な状況に気がつく。
「え、え？えーと…んん？この状況は一体…」
混乱するA。それに対して
「…ごめん。守れなかった」
と、ひどく悔しそうにひとらんは言った。そこで、何となく何があったのかを思いだす。
(____えーと、確か、カフェから帰ろうとして、仕事帰りの鬱さんとひとらんさんに出会って、一緒に帰ってて、何か鬱さんが怒り狂った女の子三人に囲まれて修羅場になって、そこから逃げだしたら道端から変な男が…)
そこまで回想してはっとする。
「ひっ…ひとらんさん！ケガ！殴られたとこ！大丈夫ですか！？」
そうだ、出てきた男が襲いかかってきて、ひとらんさんが私を庇って殴られてしまったのだ。
「うん。俺は大丈夫、わりと慣れてるし。それより、Aさんの方こそケガは？」
「全然問題ありません！…あの、本当にごめんなさい！私があの時あの男を蹴っていれば…！」
「ううん、Aさんのせいじゃないよ。俺の不覚」
「いえ！私の不注意です！後ろから敵が来る可能性をすっかり失念していて…！」
「それなら____」
「でもですね____」
「そうは言っても____」
「こうとも考えられます_____」
そのまま十分にわたる謝り大会を繰り広げ、
「つ、疲れました…！無駄な争いはやめましょう…！」
「そう、だね。どっちも悪くないってことで…」
双方息切れしながら仲直り(？)し、そして同時に吹き出した。
「…訳のわからない状況ですけど、ひとらんさんが一緒でよかったです」
「…ん、俺も。こんな状況だけどね」
そんなことを言い合っていた時。
「…！」
不意にひとらんが息を潜めた。
「？ひとらんさ…」
「…誰か来る」
「え」
____そして、薄暗い部屋にギイイ…という不気味な音と、一筋の光がさしこんだ。
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ポピー(プロフ) - もし、“お知らせ”に記されている中から選ぶのなら、トン氏で。記されていなくても良いのなら、ゾム氏をよろしくお願いします！設定が凝っていて面白いのでつい全部一気読みしちゃいました！更新頑張ってください！ (2018年11月25日 21時) (
レス) id: 8149f9681e (このIDを非表示/違反報告)
ななか(プロフ) - ロボロに一票。最近の生きがいです、ありがとうございます。 (2018年11月22日 23時) (レス) id: c06d19efdc (このIDを非表示/違反報告)
マロウブルー - ももさん» す、素敵な文章…！？ありがとうございます…！はい、トントンさん二票目でございますね！そしてまさかのテストの応援まで…！実は真の敵は明後日だったりします(笑) (2018年11月20日 15時) (レス) id: 75a1a6830c (このIDを非表示/違反報告)
マロウブルー - 柏餅さん» 回答ありがとうございます！ロボロさん一票いただきました！ (2018年11月20日 15時) (レス) id: 75a1a6830c (このIDを非表示/違反報告)
マロウブルー - 白人さん» 回答ありがとうございます、トントンさん一票目です (2018年11月20日 15時) (レス) id: 75a1a6830c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マロウブルー | 作成日時：2018年11月7日 17時
