手の届かなかった、君へ tkin (ページ3)

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「…また、」
「ん？」
「っ、また、朝こうやって話したいな」
「あー、うん。また勉強教え「ち、がくて…」
「うん？」
「あの、」
「、、」
「勉強じゃなくて、お話したい、な…」

自分でも何を言っているんだろう。
こういう事を他の人に言うタイプでなく、どちらかと言うと言ってもらってきた側だったから怖くて顔が見れない。
どんな顔してるんだろう。
普段話さないのにまた話したいなんて。

「、いいよ」
「えっ」
「何びっくりしてるの、そっちが言ったんじゃん」

今度は目を細めて口を大きく開けて笑った。

「うん、そうだね」
「明日もまた同じ時間に来るから」
「分かった」

また明日もこうやって話ができる。

嬉しくて嬉しくて今にもスキップできそうだった。

その日は一日中次の日のことを考えていて、明日になればまた髙木くんと話ができるとそれしか頭になかった。
家に帰っていつもは復習したり宿題をしたりするけれど、それさえも浮き足立ってしまいできない始末。それでも何とか宿題だけはと終わらせる。

あぁ、早く明日にならないかな。

次の日の朝。
夜はなかなか寝付けなかったけど、気づけばぐっすり寝ていた。寝不足で髙木くんに会うわけには行かない。少しでもマシな顔で会いたい、我ながら恋する乙女みたいだなと恥ずかしくなったけれど、好きな人には少しでもいいなと思われたいのが恋ってものなのかなと、朝の支度をしながら思った。

いつものバスに乗り込みお馴染みの景色を窓から眺める。
普段から眺める同じ景色に飽きていたところだったが、今日はなんだか特別な物に感じた。

教室について自分の席に座りいつも通り少し窓を開けて外の音を聞いて待つ。そろそろかな？いつ来るかな？と待っていた。

でも、髙木くんは来なかった。

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制服はネクタイでブレザーです。
inさんはワイシャツの第二ボタンまで開けていて、ネクタイも緩く締めてます。
頭はいいですが、見た目はちょっとチャラいイメージで書いてます。