湖の深くまで【X1】 (ページ5)

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WS『A～きたよー！』

A『あ、ウソガ』

あの日から、私たちはとても
仲良くなり、呼び捨てで呼び合う
仲にまでなった。

まぁ、ウソクは最初っから
呼び捨てだったけど。

余命宣告されて、2ヶ月はたった。

わたしが生きられるのは、約四ヶ月。

…私は、この気持ちに
気づかないようにしている。

ある日、

WS『A、Aって、
なんの病気なの？』

突然ウソクがこう聞いてきた。

普段はなにも病気について
聞かない彼が、今日聞いてきたのは、
きっと、なにか理由があるだろう。

だって、彼の目は、
なにかを覚悟した目だったから。

A『話しても、悲しまない？』

WS『…うん。』

A『私ね、癌なの』

WS『え？癌？』

A『なにを想像してたの』

WS『おれ、耳の病気かと
思ってた。たまに、
聞こえなさそうな時あるし…』

A『耳は、左耳の聴覚を
失ってるの。』

あの日の出来事は、
きっと、生まれ変わっても覚えてるだろう。