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……先程のお姉さんの発言が頭から離れない。
何というか｡自分の幼稚さが酷く浮き彫りになったような気がした｡
少なくとも､私は浮かれていたのだな､と自らを省みる程には｡
お姉さんが私に対して良い感情を抱かなかったのも当然と言えば当然だ｡
突然好意を寄せる男の傍に現れた女が､
先輩がいるから進学しようかな､
なんて舐めたことを言っていたらそれは言及したくもなるだろう｡
お姉さんの言ったことは紛れもなく正論であった｡
私は､お姉さんへと視線を向ける｡青山先輩の元へ行ったお姉さんは
”ごめん､この日の事なんだけど……”と何か書類を見せながら話をしていた｡
サークル長､と呼ばれていた方と真剣な顔で話をしている先輩は､お姉さんは､
私と2歳しか変わらないはずなのに酷く大人に見える｡
――――――もし｡
もし､私が2歳早く生まれていたら｡
あそこに立っていたのは私､だったりしたのだろうか｡
対等な立場で先輩と会話をするお姉さんに対して､
抱いた感情は紛れもなく羨望そのものだ｡
それは､彼と関わってきた､決して少なくない女の人に対して初めて抱く感情であった｡
*
思えば､物心ついた頃から私は青山先輩に甘えて生きてきた｡
初めて会った日から彼にべったりだった私は
中学校に入るまで彼のことを”お兄ちゃん”と呼んでどこへ行くにもついて回った｡
私は､先輩と同い年になりたいなんて思ったことはおろか､
年下で可愛がって､甘やかしてくれるこの立場を確かに気に入っていたのだ｡
それなのに｡
"まーた青山と一緒にいるんだ？マジで兄妹みたいだよねアンタたち"
突然脳裏に蘇ってきたのは彼の同級生から掛けられた言葉｡
それは彼と同じ高校に入学して数か月経った時だった｡
それは決して馬鹿にしたような言い方ではなくて､
ただただ私達の仲の良さを揶揄したのだと思う｡
…………だが。
その時､私は確かに違和感のようなものを覚えた､様な気がする｡
「……行こ､せんぱい」
「――――あれ､俺はもうお兄ちゃんじゃないの？」
「……周りの皆は先輩って呼んでるんだもん」
そうだ､その日から”お兄ちゃん”は”青山先輩”になった｡
あの時はただ子ども扱いされたことと､周りに影響された結果だと思っていた｡
今､思い返してみれば､アレは｡
「……ふふ､そっか｡まあAの好きに呼ぶと良いよ」
ああ､そうか｡
私は､彼の”妹”にはなりたくなかったのだ｡
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もぐもぐいちご(プロフ) - realさん» 返信遅れてしまってすみません；；realさんコメントありがとうございます！イラストも見ていただけて本当に嬉しいです…！これからも不定期ではありますが更新していきますのでよろしくお願い致します…！ (2023年4月24日 2時) (
レス) @page39 id: 30f259b2ae (このIDを非表示/違反報告)
real(プロフ) - イラストの方から来ました！めっちゃきゅんきゅんしました(*´-`)作者さまのペースでの更新楽しみにしてます！ (2023年4月10日 12時) (レス) @page3 id: 3d1cb866c0 (このIDを非表示/違反報告)
もぐもぐいちご(プロフ) - 朱まぐさん» 返信遅れてすみません…！男の子視点､ヒロインは好きな子なのでとにかくかわいく見えるように意識してたのでそこに言及して頂けるの本当にめちゃめちゃ嬉しいです…！コメントありがとうございます！これからも拙文ではありますが楽しんで頂けると幸いです！ (2022年12月11日 12時) (レス) id: 30f259b2ae (このIDを非表示/違反報告)
朱まぐ(プロフ) - 初めまして、こんばんは。男の子全員素敵です！9ページ目では佐藤君目線になってヒロイン可愛いと思ってしまいました！笑読んでて癒されました☺︎素敵な作品ありがとうございます。無理せず作者様のペースで頑張ってください！ (2022年12月5日 22時) (レス) id: 0c936a9b54 (このIDを非表示/違反報告)
もぐもぐいちご(プロフ) - かんずめさん» コメントありがとうございます！下でも似たようなことを書いたのですが己の生み出したキャラたちを好きと言って頂けるの､本当作者冥利に尽きます…！はちゃめちゃに嬉しいです､これからも拙い文ではありますがお付き合い頂けると幸いです…！ (2022年11月16日 20時) (レス) @page22 id: 30f259b2ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もぐもぐいちご | 作成日時：2022年10月30日 17時
