ツンデレ男子は分からない。 ページ14
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「うーん……やっぱりA1人じゃ難しいんじゃない?」
そう言いながら友達は、私の手元のメモを覗き込んだ。
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その日は文化祭前ということもあって、どのクラスも文化祭準備で忙しなくしていた。
勿論私も例に漏れず、自分のクラスの準備を行っていた。
そこでの私の係は買い出し係、だったのだが。
「本当は、A以外にも買い出し係3、4人いたんだけどねえ」
私以外の買い出し係は部活やら委員会やらで
全員別の場所で仕事をしていたのだった。
一方私は部活も委員会も文化祭に関わるようなところではない。
私が他の子よりクラスの準備に携わるのは当然のことだ。
そう思い、1人で買い出しに行こうとしたところ、
クラスの文化祭実行委員である友達に止められて、冒頭に至ったのだった。
「……まあ、確かに1人じゃ1回で行くの無理かもしれないけど
ほら、2回とかに分けて行けば大丈夫だよ」
「いや誰かに着いていってもらえばいいじゃん。
私はこれから実行委員の集まりとかもあるし着いていけないけど……」
そう言いかけて友達は近くにいた男子に声を掛ける。
”あんた暇でしょ、Aと買い出し行ってきてよ”と。
友達のこの行動力というか、さっぱりしているところは見習いたいとこがある。
声を掛けられた男子も最初は難色を示したものの、
何買ってこればいいの?と割と寛容だった。とても申し訳ない。
「あー……と、ごめんね、突然付き合わせることになっちゃって」
「いや、いいよ別に。確かにめんどいけど仕方ないしな」
そう言って彼が私の手元のメモを覗き込んだ時だった。
「……それ、俺が行くわ」
急に後ろから声がした。隣にいた男子と共に振り返る。
そこにいたのは宮原くんだった。
「俺別に部活も委員会もねえし。こっちの作業ダレてて外出たかったんだわ」
「あー……」
実行委員の友達が納得したかのように声を上げる。
……宮原くんはそんなにつまらないとこに割り振られたのか。一体どこだったんだろう。
「いや、ごめん気付かなくて。うん、宮原が適任だわ。
行ってきてよ、”2人”で買い出し」
「……余計な勘繰りしてんじゃねえよ」
舌打ちしながらメモを確認する宮原くん。
イライラしているであろう宮原くんとは対照的に、私は自身の心が躍るのを感じていた。
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もぐもぐいちご(プロフ) - realさん» 返信遅れてしまってすみません;;realさんコメントありがとうございます!イラストも見ていただけて本当に嬉しいです…!これからも不定期ではありますが更新していきますのでよろしくお願い致します…! (2023年4月24日 2時) (レス) @page39 id: 30f259b2ae (このIDを非表示/違反報告)
real(プロフ) - イラストの方から来ました!めっちゃきゅんきゅんしました(*´-`)作者さまのペースでの更新楽しみにしてます! (2023年4月10日 12時) (レス) @page3 id: 3d1cb866c0 (このIDを非表示/違反報告)
もぐもぐいちご(プロフ) - 朱まぐさん» 返信遅れてすみません…!男の子視点、ヒロインは好きな子なのでとにかくかわいく見えるように意識してたのでそこに言及して頂けるの本当にめちゃめちゃ嬉しいです…!コメントありがとうございます!これからも拙文ではありますが楽しんで頂けると幸いです! (2022年12月11日 12時) (レス) id: 30f259b2ae (このIDを非表示/違反報告)
朱まぐ(プロフ) - 初めまして、こんばんは。男の子全員素敵です!9ページ目では佐藤君目線になってヒロイン可愛いと思ってしまいました!笑読んでて癒されました☺︎素敵な作品ありがとうございます。無理せず作者様のペースで頑張ってください! (2022年12月5日 22時) (レス) id: 0c936a9b54 (このIDを非表示/違反報告)
もぐもぐいちご(プロフ) - かんずめさん» コメントありがとうございます!下でも似たようなことを書いたのですが己の生み出したキャラたちを好きと言って頂けるの、本当作者冥利に尽きます…!はちゃめちゃに嬉しいです、これからも拙い文ではありますがお付き合い頂けると幸いです…! (2022年11月16日 20時) (レス) @page22 id: 30f259b2ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もぐもぐいちご | 作成日時:2022年10月30日 17時