いただきます。【センラ】

手巻き寿司ってどうやったら上手くいくの？ ページ18

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パーンっ！

『 ※人に向けて鳴らさないで下さい 』
そう注意書きされているのをちゃんと確認して、少しずらしてから撃つ。

今日は記念日、クラッカーで盛大におかえりを伝えてやろうと思って、わざわざ用意した。
なのにセンラは、うおっと小さく声を漏らしてビクつくだけ。


「 ……なんしてるん？ 」

「 おかえり〜！わーいわーい！！ 」


このままでは面白くないから、無理やり盛り上げる。
相変わらずキョトンとして突っ立っているセンラ。
玄関から引っ張ってダイニングまで手を引く。だって、早くご飯食べたいし。


「 じゃーん！今日は私が用意したよ、手巻き寿司でーす！！ 」

「 えっ、大丈夫？ 」

「 買ってきて切って並べただけでーす 」

「 あぁ… 」


お徳用刺身セットで手巻き寿司をするのが、私の小さい頃の夢だった。
その夢が今、自らの手で叶えられる。なんて幸せ。
着替えて手を洗って席に着いたセンラ。よし、やっといただきますだ。


「 ……ん？ 」

「 ははっ、何やってるん 」

「 なんかはみ出してきた、まぁ食べれないことはないけど…… 」

「 ええ〜？普通そんなことなる？ 」

「 なるって、やってみなよ 」

「 ……お？ 」

「 あれ？センラさん私より下手なんじゃないですかぁ？ 」


不器用をそのまま形にしたように、具が片方からはみ出してくる。
なんとも不恰好で食べにくくて、ふたりしてどうにかうまくできないか考え込む。


「 先生に聞こうか 」

「 こういう時のためのネットやな 」


結局グーグル先生に頼れば、私たちが悪かったのは巻き方のよう。


「 おーそれっぽい！ 」

「 わ、綺麗じゃない？ 」


一度コツを掴んでしまえば、もうあとはこっちのもの。
きゃっきゃうふふ言いながら手巻き寿司製造機と化した二人はいかに美味しく、美しいかものを創り出せるかを競い出すのでした。


．


「 サーモンとイクラの親子寿司でしょ 」

「 マグロが！！最強やから！！！ 」

「 ねぇ納豆キムチいけるんだけど 」

「 口臭そう 」

「 殴るぞ 」


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