春休みの小話 ページ3
3月後半、春休みの学生も多く、モールは毎日混雑する
飲食店はもちろん、アパレルショップや雑貨屋もお客様の出入りが激しく、
店員たちはみな忙しそうに、楽しそうに仕事をしている
「あ、ここ!」
「ここが目的の店?」
高校生らしき男女が来店された
仲良く、割と近い距離で話しているところから察するに付き合っているのだろう
「いらっしゃいませ、お探しのものはありますか?」
声をかけると、彼女は春夏に着られる服を目当てに来たらしい
ここは女の子向けのアパレルショップであるため、彼はそわそわしながら色々な服に目を向けていた
「春夏に着られるものですね!こちらのワンピースはいかがですか?」
「わ〜可愛い!新作なんですね!」
「はい!入荷してすぐ売り切れてしまって、最近再入荷したんです!」
試着を勧めると、是非と試着室へと入っていった
彼女は彼にそこで待ってて、と声をかけてカーテンを閉めた
彼女が着替えている間も、彼はそわそわしながらもスマホをいじることもなく待っていた
「じゃーん!どう?」
「おー、いいじゃん」
「ねー棒読みなんだけど」
頬をふくらませて分かりやすく、可愛らしく拗ねる彼女に私も笑みを零す
「すごくお似合いですよ!色もぴったり!」
「ですよね!?買っちゃおうかな〜」
くるりとターンし、スカートの裾がふわりと浮く
すると座っていた彼は徐ろに立ち上がり、1着のスカートを持ってきて彼女に渡した
「A、似たような色の持ってただろ?あんまり着てるの見たことない色だけど、似合うと思って、見、てたんだけ、ど、」
私も彼女も、ぽかんとした顔をした
待っている間にスマホを触らずにいたのは、慣れない店に緊張しながらも
彼女に似合いそうな服を探していたのだ
そう思うと、見ているこちらもきゅん、とする
「……、かわいい、」
「って、俺のセンスだから、別にAが欲しいの買えればいいんだけど、」
「これ買います」
彼女はスカートを受け取って、試着もせずにそう答えた
試着するか聞こうと彼女の顔を覗くと、
彼女は頬を赤く染めて、嬉しそうにしていた
*
*
お会計が終わり、店の外まで商品の入った紙袋を持ったままお見送りする
最後に、素敵な彼氏さんですね、と伝えると、はい!と元気な返事を貰った
「いや付き合ってないだろ!」
「女の子の服覚えてて彼氏じゃないの?」
「既視感あっただけだから!」
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え!?(プロフ) - レミエル・カイザーさん» 分かります…!isg攻めというか、isg夢というか、isgが本当に尊くて………… (5月22日 23時) (レス) id: 9dc36d9fcc (このIDを非表示/違反報告)
レミエル・カイザー - わかってくれますか!isgは攻めでも受けでもいいんですよ!!まず世一という個体がいるってのが!!! (5月11日 14時) (レス) @page7 id: 20866609ad (このIDを非表示/違反報告)
え!?(プロフ) - レミエル・カイザーさん» isg夢、良いですよね……… コメント大丈夫です!全く嫌ではありません、むしろコメントを頂けて同じisg夢が好きな方がいると思うと嬉しいくらいです ありがとうございます~! (5月11日 1時) (レス) id: 9dc36d9fcc (このIDを非表示/違反報告)
レミエル・カイザー - 返信ありがとうございます。isg夢好きです!あと、コメントするの大丈夫か聞き忘れてしまってすみません、いやでしたか? (5月9日 11時) (レス) @page7 id: 20866609ad (このIDを非表示/違反報告)
え!?(プロフ) - レミエル・カイザーさん» ありがとうございます!TT isg夢、更新停止が多いのが悲しくて自分用に書き始めたものですが、頑張りたいと思います! (5月8日 14時) (レス) id: 9dc36d9fcc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:え!? | 作成日時:2023年4月30日 4時