お互いに ページ11
「あ、ここ寄ってもいい?」
「ん、いーよ」
裏門から出てすぐ、Aはある店に指をさした
彼女が寄りたいと行った所は和菓子屋だった
確かに彼女は割と甘いものは好むが、和菓子を食べているところは
見たことがない気がする
意外だと思いながら、彼女について行き、店に入る
普段和菓子なんて食べないから、物珍しくショーケースを見てしまう
ケースには練り切りやお団子、
「お待たせ〜」
「早っ 何が欲しかったの?」
「ん?これこれ」
小さな紙袋の中に入っていたのは小さな箱だった
透明なわけでもないため、分かるわけがないとツッコめば、
この中身はきんつばだと言った
「何それ」
「知らない?四角くて、生地の中に餡がぎっしり入ってるんだよ」
Aは特別餡が好きだとも聞いたことがなかったが、
餡がぎっしりと言うだけあって、しっかり甘いのだろう
「世一がこれ好きなんだよね〜」
「うわ出た!潔世一」
「うわとか言うな!」
*
*
「あれ潔じゃない?」
「…ほんとだ!私より先に見つけるなんて……」
「何に張り合ってんの…」
早く渡してこい、の意味で背中をばしっと叩く
Aは自転車に乗っている彼に向かって名前を叫ぶと、
彼は1回で彼女の声に気づいて自転車を止めた
彼女もそれを見て小走りで駆け寄り、お疲れ様、と声を掛けていた
「はいこれ」
「えっ何?なにこれ」
「きんつば!さっき和菓子屋さん見つけたから買ったの」
小さな紙袋を受け取った彼は、戸惑いながらありがとうと呟き、はにかんだ
すると彼はスクールバッグやサッカーの用意で山のような荷物の中から
折れ目ひとつない、似たような小さな紙袋を取り出した
「俺も昨日これ買ってさ、」
渡すタイミングなくて、と彼女に渡したのは
どうやら彼らの近所にあるケーキ屋さんのクッキーらしい
確かに、彼女はよくこの紙袋と同じロゴのお菓子を持ってきていた
まさか彼からも贈られると思っていなかったからか、嬉しそうに
頬を染めて顔を綻ばせた
「……まさに以心伝心ね〜…」
「あれ、佐藤さんは?」
「ほんとだ、1人で帰っちゃったかな…」
「……後ろ乗る?」
「!」
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え!?(プロフ) - レミエル・カイザーさん» 分かります…!isg攻めというか、isg夢というか、isgが本当に尊くて………… (5月22日 23時) (レス) id: 9dc36d9fcc (このIDを非表示/違反報告)
レミエル・カイザー - わかってくれますか!isgは攻めでも受けでもいいんですよ!!まず世一という個体がいるってのが!!! (5月11日 14時) (レス) @page7 id: 20866609ad (このIDを非表示/違反報告)
え!?(プロフ) - レミエル・カイザーさん» isg夢、良いですよね……… コメント大丈夫です!全く嫌ではありません、むしろコメントを頂けて同じisg夢が好きな方がいると思うと嬉しいくらいです ありがとうございます~! (5月11日 1時) (レス) id: 9dc36d9fcc (このIDを非表示/違反報告)
レミエル・カイザー - 返信ありがとうございます。isg夢好きです!あと、コメントするの大丈夫か聞き忘れてしまってすみません、いやでしたか? (5月9日 11時) (レス) @page7 id: 20866609ad (このIDを非表示/違反報告)
え!?(プロフ) - レミエル・カイザーさん» ありがとうございます!TT isg夢、更新停止が多いのが悲しくて自分用に書き始めたものですが、頑張りたいと思います! (5月8日 14時) (レス) id: 9dc36d9fcc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:え!? | 作成日時:2023年4月30日 4時