９４ ページ47
前半終了後のハーフタイム
自分の不甲斐なさを恥じて裏に回った
やるせないこの思いだけが積るばかり
私がいなくともFWは問題ないのだから
主「(このまま後衛に留まるか？本来の位置を
捨てなければ役に立てない…)」
戦う覚悟をしたのではなかったのか？
点を取る。その為に訓練に励んでいた
力があるものはないものを守るんだと
正義感の強い者なら誰でも思うだろう
私は悪人に過ぎない。だからずっと…
後半が開始され、ネッパーが生み出した
チームの溝を鬼道が上手く突いた
そこからと言うもの、10点差を巻き返す
勢いで雷門が連続得点を入れ続けている
それを見ても、私の心は冷めっぱなしで
暑さを感じていたのは気のせいだったか
サッカーに熱くなれないのは性なのか…
リ「はっ！」
リオーネが出したパスを瞬時に奪い取る
体を動かせば心臓は早くなり、人間とは
鼓動を感じ自分の熱を感じられるだろう
だが、私にはその熱が失われているんだ
遥か遠い空から見下ろせば皆同じだった
全てが小さく、弱く見えてしまうから
ア「こっちだ！」
主「………」
無言のパス。仲間もプレーをする繋がり
それから生まれる絆の意味も分からない
一人で点を取って、一人でゴールを守る
そんなサッカーこそが私に相応しいのか
根本的な目的すら蔑ろになっていく
ゴールは、アフロディと豪炎寺が決めて
くれているんだ。私が打つまでもない…
ガ「みんな見ていろ。私達の姿を…！」
バ「この試合にかける俺達の思いを…！」
バーンとガゼルの猛攻に抜かれてしまう
試合に集中できなくなっている
主「…！」
バーンとガゼルが同時に高く飛び出した
互いに歪み合っていたチーム同士なのに
何故あそこまで息が合ったプレーが…？
主「(それほどまで、この試合にかけるか…)」
バ・ガ「《ファイアブリザード》！」
炎と冷気を纏ったシュートが繰り出され
二人の思いが乗せられたボールがゴール
に立つ立向居に襲いかかる
立「《ムゲンザハンド》！くっ…うぁぁっ！」
完成したばかりの究極奥義が破られた
あの二人の思いがヒシヒシと伝わって
自分の中途半端さが恥ずかしくなった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：美鈴愈 | 作成日時：2019年1月31日 15時
