星のように流れる２ (ページ34)

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主「ここは…、エイリア学園の…」

吉良財閥が建設した医療施設の中だった
最先端の技術が搭載された病院のような
場所で、優秀な医師と設備が揃っている

医「郷星さん、おはようございます」

専属の医師と思われる男が入って来た
吉良総合病院の医師達は、学校破壊の
犯人が自分達の上司だとは知らない
だから、無関係ということになっている

医「貴女は五日間、眠り続けていたんです。
しかし、検査の結果から見ると異常な
早さで回復していますよ」

主「五日…、そんなに眠っていたんですか」

医「五日間なんて、とても短い時間ですよ。
普通の人なら半月眠りこけていたって
不思議じゃないんですから」

異常なほどの治癒速度、これが恩恵か
損傷した筋肉が再生する速度を上げて
細胞そのものの回転を速くすること
あの施設は、肉体改造すら可能にする
今はさほど違和感なく使っている体は
あの時よりも格段に良くなっている

主「そうですか…。それで、退院はいつ？」

医「様子を見て判断しますが、この調子なら
二、三日もすれば退院できますね」

主「分かりました。ありがとうございます…」

二、三日となれば、あの時から一週間経つ
雷門の動きはエージェントが監視している
から、後で映像を寄越すように言おう
異常なほど速いと言ってもこの程度だろう
私はもっと、サッカーがしたいのに…

医「安静にしていないとダメですよ？会長から
目を見張っているように言われているので」

医師はニコリと笑うと部屋を出て行った
会長とは、恐らくお父様のことだろう
私が逃げ出そうとしても、ここは病院だ
医師達は患者が逃げようとしたら止める
あの人は、社会のルールを利用したんだ

ヒ「A、入るよ？」

主「……構わない」

目覚めたばかりだというのに、ヒロトは
分かっていたかのように駆けつけた
まさか、部屋の外で待っていたのか？

ヒ「元気そうでよかったよ。帰って来た途端
倒れるから心配したんだ」

主「手間をかけたのは悪かったが、敵同士だと
言うことは肝に銘じておけ」

ヒ「……やっぱり、戻るつもりなんだね」

ヒロトはどうしても私を止めたいらしい
私もその立場ならそうするかもしれない
だが、今は状況が違う