７４ 《グランSIED》 ページ27
グ「好きだよ円堂君…、君のその目！
《流星ブレード》！」
円堂君の、諦めることを知らないあの目
ロミアが突き動かされたのは彼の熱さだ
それが本物か、試させてもらうよ
吹「あ…あぁぁぁぁぁあ！！」
誰かが、ゴール前に走り込んでくる
気付いた時には朝からボールが離れて
シュートはゴールに目掛けて飛んでいく
まさか、人が割り込んで来るとは思って
いなかったから、考え無しに打ったんだ
円「吹雪！」
秋「吹雪君！」
立「俺、救急車呼んで来ます！」
救急車を呼ぶほどの事態にしてしまった
ここまでするつもりは最初からなかった
雷門の熱さを、彼女を突き動かした力を
この目で見たいと思っただけだった
グ「大丈夫かな…」
ハ「行こうぜグラン、こんな奴らとやっても
ウォーミングアップにもなりゃしない」
歩み寄って話しかけることも出来ずに
少しばかりの罪悪感だけを残していく
楽しいサッカーをしてみたいと思った
だけど、まだまだ早かったみたいだ
グ「円堂君…」
瞳子姉さんを見ると、睨まれてしまった
姉さんは父さんを止めるためにこうして
雷門を使って僕らを倒そうとしている
グ「それじゃあ、またね…」
チームのメンバーの所に足を進めて行く
この、やるせない気分は何なんだろう？
勝ったのにスッキリしない妙な感覚だけ
心の中に痣となって残っている
グ「(ロミアはどうして雷門を庇うんだ？)」
彼女は実力を隠してまで雷門に入り込み
エイリアを潰す為に協力していた
でも、それほどの実力があると思えない
雷門を戻る為に、今も力を付け続けている
頼りがないから、それとも利用できるから
何にせよ、彼女には魅了された理由がある
グ「(直接聞く方が早いか…)」
円堂君の熱さには、僕も心が踊ったよ
でも、彼女には何か他にありそうだった
心に響いたことが、何かあるはずなんだ
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作者名：美鈴愈 | 作成日時：2019年1月31日 15時
