７０ 《グランSIDE》 ページ23
彼女はトレーニングルームに篭ったまま
全く出てくる様子が見られなくなった
同性同士の方が話しやすいと思ったから
何度かウルビダを向かわせたりもしたが
すぐに追い返されてしまうらしい
ウ「また、以前と逆戻りか…。私達が持つ力
ですら満足いかないらしい」
グ「彼女の欲望は、力に対する執着だろう。
誰が何と言っても力を求め続ける」
防音対策がしてあるはずの壁だと言うのに
破壊音とシュートの音が大きくなってくる
サッカーは己を高めるもの、だとか何とか
昔からそう言ってたっけ
主「どけ！」
トレーニングルームからズカズカとした
足取りで出て来たロミアは、複数人いる
エージェントの足止めを食らっていた
何処かへ行きたいのか、エージェントを
押し退けながらこっちに近付いてくる
グ「どうしたんだ？」
エ「分かりません。急に飛び出して…うおっ！」
エイリアボールをエージェント達に蹴る
大人が風船のように軽く弾き飛ばされる
グ「どこに行く気だ？」
ウ「言い分によっては通すわけにはいかない」
僕もウルビダも、一度裏切られたからと
いって慣れるわけではない
唐突に居なくなった時は探し回ったんだ
マスターランクチームの全員で監視して
エージェント達を送り込むことができた
つい最近そんなことがあったばかりなら
易々と通す奴は相手のことを想ってない
主「強制施設を使う…。誰にも邪魔されない
よう、厳重にロックしてな」
グ「あそこは立入禁止になったんだよ。
ロミアだって知っているはずだ」
あまりに過度な訓練システムであるため
人体に支障をきたす可能性があると判断
され、立入禁止になった施設がある
数あるトレーニングルームの最奥にあり
鉄の柵で入る者を拒んでいる
主「生温い、力を手に入れる為なら私は行く。
死ぬ程の思いで私は成長する」
ウ「ロミア、普段のように冷静になれ。
あれはマスターランクチームですら…」
主「私とお前達は違う。皆が平等に強くなる
など、絶対にありえない。私は一人なら
何処までも力を手に入れられる」
元からロミアは優秀な選手だった
強くなることに真っ直ぐで我慢強かった
それが最近になってますます酷くなった
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作者名：美鈴愈 | 作成日時：2019年1月31日 15時
