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ここから逃げたのは、少し前のことだ
それなのに、とても昔のように感じる
近代的なこの設備を何度も破壊した
己の力を試す為、計画を止める為にも
主「……《コスモ・ミラーグロ》」
突き刺さるシュート、破裂するボール
蹴ることで高ぶりを感じて熱くなる
雷門にいたから取り戻せたこの感覚は
サッカーをする上で大事なことだろう
ウ「ロミア！」
トレーニングルームに入って来たのは
苛立っていることが目に見えて分かる
ウルビダだった
今にも襲いかかって来そうな剣幕だ
ウ「私達を、お父様を裏切っておきながら
よく戻って来れたものだな…！」
ウルビダは、お父様と出会ったことで
幸せを手に入れることができた者だ
彼女にとって、お父様は自分を幸せに
してくれた全てだ
主「………」
ウ「応えろロミア！なぜ私達を…！」
ウルビダの質問に答えることは出来ない
その裏切りの訳は、お父様やグラン達の
目を覚まさせる為だった。勿論、目の前
にいるウルビダのことだって救いたい
だが、その説明をしたところで納得でき
ないと言うことも分かっている
主「お前が納得するような答えはないよ」
ウ「……ッ、今ならまだ戻って来られる！
お父様も私達も、ロミアの力が必要だ」
ウルビダは純粋に、私のことを必要と
してくれている
それでも、お父様を野放しにできない
エイリア石の力に取り憑かれたのなら
それを壊してお父様を取り戻してやる
主「……練習の邪魔だ。悪いが消えてくれ」
ウ「ロミア！」
ウルビダが何を言おうと止まれないんだ
私が言っても、彼女達も止まらないから
今は歪み合うことしかできないとしても
いつか必ず、あの時に戻してみせる
主「《コスモ・ミラーグロ》！」
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作者名：美鈴愈 | 作成日時：2019年1月31日 15時
