星のように流れる (ページ9)

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一通りの話を済ませ、姉さんと別れた
私に出来ることが見つかったならいい
いずれ、覚悟が決まれば…

主「……ヒロト、私はお前を必ず止める」

空に輝く無数の星を見ながら呟く
私は、無限の光を持つ星が好きだった
エイリアの名を授けられてからあまり
見上げることがなくなってしまったが
流れ星は特に好きだった
消えるまで止まらない儚さと美しさを
かつて存在した惑星の様を想像できる

主「こんな物があるから…」

黒いボールを木に向かって軽く蹴った
すると、物凄い音を立てて次々と木が
倒れて森の動物達が逃げ惑った
この強度にエイリア石の力が加わって
コンクリートすら容易く破壊できる
でも、私はエイリア石を持っていない
純粋な力だけで破壊し奪ってしまう…

？「見つけたぞ」

主「……風介…いや、ガゼルか」

ガ「グランやバーン、そして私もお前を探した。
これが何を意味するか分かるか？」

主「"幽閉宣告"。計画に参加しない分子で
ありながら無許可での外出行動など、
いつ寝返るか分からないだろうな」

ザザッ

茂みを飛び越えて木々の間を走り抜ける
捕まれば洗脳を受けさせるのではないか
そんな不安から私の足は動いていた
お父様は私を道具としか思っていない
Aであろうとロミアであろうとも
根本的な反抗心や自我はなくならない

ガ「いい速さだ。だが、私を甘く見るな」

回り込まれ、そのままボールが蹴られた
至近距離で威力が乗った青と黒のボール
冷気のような不気味な気配を纏いながら
風を起こし迫ってくる

主「甘く見ているのはお前だ。ガゼル」

ドゴォッ！！

範囲内に入ったボールを蹴り落とした
地面に食い込み回転が止まったボール
この重さであれば、まだまだ軽い

ガ「そうでなくては面白味がない」

主「その傲慢な態度、昔から変わらないな」

食い込んだボールをそのまま蹴り返す
地面を削りながらボールは進み続ける
小さな破片が飛び散り、砂埃が舞う

ガ「くっ…、往生際が悪い…！」

ガゼルがボールを避ける際、一瞬だが
私から視線が逸れてボールを追った
砂埃が目眩しになり、そのまま逃げた
背を向けるのは好きではない
それでも、今はこうするしかなかった