５ 《基山ヒロトSIDE》 ページ7
ヒ「君は、わざわざこうして練習しなくても
生まれ持った才能がある。努力だけでは
手に入らないものだってあるんだ」
主「……ヒロトは、私が恵まれているとでも
思っているのか？才能と捉えるのなら」
冷たかったはずの瞳が揺れていた
言葉の選択を間違ったと気づいた時は
既にロミアはさっきの顔に戻っている
今の一瞬も見逃してしまった
ヒ「……父さんも君の力を必要としている。
君が僕のチームに来て力を貸してくれる
のなら、ジェネシスの座は容易くなる」
もう、お互い止まることが出来ないなら
進む先を同じにするしか方法がなかった
ロミアが離れて行くことが本当に怖くて
ヒロトとしての自分を成り立たせられず
言うべきではないことばかり言い続けた
主「何度も言わせるな。私は貸せるほどの
力もなければ、協力はしない」
僕の方を見なくなった
破裂したサッカーボールを拾い集めて
処理場の入口を開いて破棄をし始めた
壊れたゴールを新しい物に変える申請
それも何度繰り返したのか分からない
ヒ「………」
黒いボールを持ち上げたロミアを見て
心底似合わないと思って気分が悪い
このボールは学校の破壊にも使われて
移動手段としても活躍する便利な物だ
持っていて損はない物のばすだけれど
ロミアが持つべき物じゃない
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作者名：美鈴愈 | 作成日時：2019年1月24日 15時
