星のように流れる (ページ46)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:4,916 hit

４４ページ46

染岡を乗せることなく出発したキャラバン
次の目的地は、エイリアの拠点があるかも
しれないと言われる大阪だった
ナニワランドの何処かに設置してあるのだ

主「(ナニワランド…、随分前に行ったな)」

私も、何度かあの施設で練習していた
五年ほど前のことになるが、あの時は
体が未発達で、慣れるのにはかなりの
時間を要することになった
今となればおもちゃのように感じる

円「手分けして探そう！」

皆、各々に拠点を探す為にばらけた
中にはアトラクションを楽しんだり
食べ物に吊られたりする者もいる
中学生の好奇心が煽られるのも無理は
ないが、危機感が薄れているのだろう

主「……愚かだったな。あの頃の私は」

この計画について知らなかったあの頃は
がむしゃらに練習して力を求めていた
体力が切れ、足が棒のようになることも
あったが、止まることなどできなかった
お父様が褒めてくれる、愛してくれると
期待して、前ばかり見て周りを見なくて

「……A、あんた化け物よ！」

「Aとはサッカーなんてできない…」

主「………」

思い出したくもないことを思い出した
記憶から消したいと思ったこともある
だが、それでは自分の罪を考えること
なく時は流れていってしまうだろう
自分を戒める為だけに覚えているんだ

吹「郷星さん、何か怪しい物は見つかった？」

主「……なんだ、お前はその辺りの女と一緒に
観光していただけじゃなかったのか？」

吹「人聞きが悪いなぁ。怪しい物がないかを
聞いただけで、遊んでなんかないよ」

吹雪は私の隣に座ってにこりと笑った
その笑顔は、記憶の中にあるヒロトの
笑顔と重なった。胸が締め付けられる

主「……それで、お前は染岡がいなくなって
どうするつもりだ？」

何故こんな話を振ったのか分からないが
頭の中の整理をしたかった
余計なことなど考えず、今だけを考える
その方が、色々と楽で脳が活性化する

吹「……染岡君は、僕にストライカーを任せて
くれたんだ。完璧になって、彼の思いに応
えなきゃいけない」

主「完璧になる方法なら、知っている」

吹「え…？どうすれば完璧になれるんだ…？」