星のように流れる (ページ5)

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トレーニングルームに毎日潜り続けて
汗を滝のように流し自室に戻っていた
その日々を繰り返して少し経った
ここは、私がチームを作っていたなら
使用されるはずの場所だった
貸切、と言えば聞こえはいいだろうが
自分の位置を知らしめさせられる

主「………」

壊れた練習用ロボットとゴールを見て
レーゼ達が学校を壊す映像を思い出す
自分の物を奪われ壊されたわけでなく
自分が手を下したわけではないのだが
何か、怒りとは違う高ぶりを感じた

ヒ「ここにいたんだ。最近姿が見えないから
結構探したつもりだったんだけどね」

主「……どういう風の吹き回しだ。
二度と私に干渉するんじゃないと言った。
あれはレーゼ達だけに言ったのではない」

ヒ「冷たいなぁ。前はもっと距離が近くて、
すぐ手が届く場所にいてくれたのに」

伸ばされた手を避けるように離れる
今はヒロトとしての姿で近くにいるが
私から見れば、この男はグランだった
自分が「ロミア」の名を渡されたこと
それを考えるだけで黒い何かが動く

主「お前とはもう、決別すると言った。
対峙もしなければ仲間意識もない」

水を飲み、流れる汗をタオルで拭った
この広い空間でたった一人でいるより
決別した相手であろうと空間を埋めて
くれる誰かがいるのは大きかった
チームも作らず、所属もしない以上は
一人で全てを熟す実力が必要だった

ヒ「君は、わざわざこうして練習しなくても
生まれ持った才能がある。努力だけでは
手に入らないものだってあるんだ」

主「……ヒロトは、私が恵まれているとでも
思っているのか？才能と捉えるのなら」

ヒ「……父さんも君の力を必要としている。
君が僕のチームに来て力を貸してくれる
のなら、ジェネシスの座は容易くなる」

今のヒロトはお父様が全てなんだろう
家族同士で競い合い争い合うことなど
何の利益も生まず、溝が深まるだけだ
少し考えれば分かることだと言うのに
何故分からなくなってしまったのか

主「何度も言わせるな。私は貸せるほどの
力もなければ、協力はしない」

破裂したサッカーボールを拾い集め
最後にエイリアボールを持ち上げる
これを持っているだけで不愉快だが
何処にも行けなくなってしまう