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染岡は足を怪我しながらもフィールドに
立ち、チームの為に戦おうとしている
仲間を想う心の強さ、素直に尊敬しよう
雷門イレブン全員に宿っている心意気は
私の心に小さな灯火をつけていた
角「試合は硬直状態！そして、残り時間は
僅かとなったぁぁ！！」
奪い奪われ、なかなか進まない試合
私が間に入る権利などないだろうが
少しは、役に立ちたいと思ってしまう
不「ほらよっ！」
不動が佐久間に対して蹴ったボールを
空中でカットしそのまま奪った
佐「チッ！クソッ…！」
円「ナイスだ郷星ッ！！」
頼ってくれる仲間がいるのは心地いい
このチームは、私を戦わせてくれた
眠る闘志に火が付くような熱い感覚を
彼らは思い出させてくれた
主「(…滾る、胸の奥が熱くなるような)」
足を進める度に、胸の鼓動が高まる
冷え切ったはずの体には血が流れて
戦うことに喜びを感じているようだ
不「てめぇ、余計なことしてんじゃねぇ！」
主「余計なこと？サッカーで人を傷付ける
お前に、口出しされるような筋合いは
ないのでな」
荒々しいスライディングを飛び越える
体が軽く、思うように動いてくれる
まるで羽が生えたように風を感じる
他の声も聞こえない、私だけの空間
主「……失せろ」
最前線まで突っ走り、覚えのないまま
相手のメンバー達を切り抜けていた
ゴールに構える獅子を蹴り破りたいと
自分の意思とは関係なく足に力が入る
主「コスモ…」
鬼「やめろ郷星ッ！！」
蹴ろうとしたボールを鬼道が奪い取り
そのボールはフィールドの外で飛んだ
主「……何故止める。この試合に勝つことが
目的なら、私に打たせるべきだった。
私なら、技を出させる前にゴールに…」
鬼「そうじゃない…。お前のシュートは、
明らかに異質だった」
主「……そうか。DFが前線まで駆け上がって
悪かった。少し大人しくしておく」
鬼道には、近くで見て何か感じるものが
あったのだろう。全てを壊し奪うほどの
シュートが繰り出される予感がしたんだ
確かに、さっきの私は少しおかしかった
勝ちさえすれば敵などどうでもいいなど
ゴールを決めればいいだけだと思った
歪んだ闘志だけが私を突き動かしたのだ
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作者名：美鈴愈 | 作成日時：2019年1月24日 15時
