星のように流れる (ページ35)

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源田も同様に、禁断の技を使っている
シュートを打たせることも打つことも
できない泥仕合になっている
戦力差で圧倒することもできない
説得も不可能、勝利だけに食らいつき
後のことなど何も考えていないのだ

不「俺はなぁ！負けるわけにはいかねぇんだよ！」

鬼道と不動の競り合いが始まった
すると、不動の胸元から紫色をした
結晶が見えた

瞳「……！やはり…」

主「あれは…、何故…」

エイリア石の欠片を身につけている
人間の身体能力を極限まで増幅させ
聞こえによっては奇跡を与える石
だが、あれは禍々しさの塊なんだ…

主「お父様…、貴方と言う人は…」

私の中にある激情、それは怒りだった
火にかけた鍋のようにグツグツと煮え
中身が吹き出しそうになるほどの怒り
エイリアにいた頃は抑えきれていた
それが、ここに来て爆発しそうになる

ピピッー

前半終了のホイッスルが鳴り響いた
直接潰してしまっては面白味がない
ごく自然な流れで雷門中を勝たせる
そうしなければ、私の計画が乱れる

瞳「試合中止は認めないわ。後半は私の指示に
従ってもらうわ。吹雪君はFWに戻って、
みんな勝つためのプレーをしなさい。
そして、栗松君はベンチに下がってもらうわ」

栗「ええっ！？誰が出るんでやんすか？」

主「……私がDFに入る。真・帝国学園など、
所詮は人間の集まりに過ぎない」

ジャージを脱ぎ捨てたのはこれが初めて
黄色と青のユニフォームを着て試合する
私のことを信用していない者達もいる
だが、それならプレーで得れば問題ない

鬼「監督！郷星は連携の練習が充分では…」

主「連携はしない。ボールを奪って死守する。
姉さんの指示は、勝つ為のプレーだろう？
それなら、決して負けない」

帝国学園のメンバー達を睨みつける
エイリア石に力を与えられた人間に
私は絶対に負けない
あのようなまやかしに捕らえられて
抜け出せない囚人達を解放する

円「郷星！頼りにしてるぜ！」

主「……雷門中には、ここで勝ってもらう」

期待されるなんて、いつぶりだろうか？
お父様やヒロト達まで裏切った私など
期待されることなどなかったから…