星のように流れる (ページ4)

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サッカーは己を高めるものだと思っている
不可能であったことが可能になる瞬間こそ
何よりの喜びを感じられ、成長を得られる
昔から、そうだと思い続けていた

主「………」

悪趣味なボールを持ち上げて見つめる
黒色と紫色の不気味なボールを渡され
星の使徒になれと言われた時の絶望は
親に捨てられた時以来の深さだった
お父様が私達を利用しようとしている
そう思えば傷付けられるのも当然だ

レ「ロミア様」

主「……映像を見た。雷門中だけではなく、
次々と学校を破壊するリュウジの姿を」

レ「意味のある破壊です。星の使徒の力を持ち、
弱き者にそれを示す為の」

何を言おうと聞き入れられないことは
心の何処かで察していた
おひさま園の皆はお父様が全てだった
そのお父様から頼られるとあるならば
少しばかりの無理くらいはするだろう
それでも私は…、認められないのだ

主「自分を偽ってまでお父様に尽くすのか。
私には、それが滑稽に見えるがな」

リュウジの眉がピクリと動いた
気に障ったのか、少しは心が動いたのか
今になっては同じ結果に終わるしかない
目の前にいるのは、「レーゼ」だからだ

主「二度と、私に干渉するんじゃない」

おひさま園の皆は変わり果ててしまった
リュウジのように演技をしてまで協力し
ヒロトのように父親に心酔してしまう者
お父様がヒロトを気にいる理由は分かる
あの人も悲劇を抱えているのだから

この日を境に、私は人と関わることに
嫌気が差して心や感情を中に閉じ込め
悲観することをやめた
誰かに止めてもらいたいなどエゴだと
感じ、身勝手な考えだと痛感したのだ
家族が堕ちて行く様を見ているだけで
何も出来ないのかと悔やみに悔やんだ

主「……化け物め」

誰にも向けていない言葉をポツリと
私は何故、誤ちを続ける家族を止めず
こうして唇を噛み締めているのだろう
その気になれば強引に撃ち砕けるのに
お父様や皆の想いを壊すことが出来ない
私に出来ることは分かっている＿_