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主「(確かに様子を見たいと言っていたが、
ここで接触するとはな…)」
エイリア学園の中で、雷門中の価値が
上がっているのは確かなようだった
そうでなければヒロトはここに来ない
雷門中を利用して何をしようと…
特に深い話をしているわけではなく
円堂が目を離した隙にヒロトは消えた
消えたというより、移動したが正しい
主「……お前は昔から諦めが悪いんだな」
ヒ「褒め言葉として受け取っておくよ」
皮肉を笑顔で返されてしまっては
何も言い返せなかった
主「今回は諦めるんじゃなかったのか？」
ヒ「そうだね。僕は、今は少しでいいから
話がしたかったんだ。……昔みたいに」
ヒロトは気を遣ったのか、少しだけ
離れた位置に腰かけた
私も、警戒はしながらも腰を降ろす
主「昔みたいに、……具体的には？」
ヒ「はは、内容を全部考えて話すなんて
やったことなかったじゃないか」
主「もう、普通には戻れないんだ」
視線を空に向けて、無数の輝きを見る
北海道で見た時よりは輝きが弱かった
星は、人工的な地上の光にすら勝てず
力を弱めてしまう脆いものだ
ヒ「あれは不慮の事故で、君は悪くない。
君が才能を殺すなんて誰も望んでない」
主「私が望んでいる。あれを不慮の事故と
片付けるのは無責任だ…」
ヒロトの言っていることは正しいことだ
様々な要因が重なって起こったことでも
私は、それを引き起こした自分が憎い
銃は引き金を触らなければ撃てないから
ヒ「……全部自分のせいにするところも、
昔から変わってないな。Aのそんな
ところ、僕は好きだよ」
主「心にもないことをすらすらと言えるな。
私は、お前と決別したいんだがな」
ヒ「僕が嫌だからほっとけないんだ」
何度も喧嘩したことがあって、その度に
ヒロトが先に謝って仲直りしていたっけ
昔から頑固だったのか、私はどうしても
自分から謝ることができなかったんだ
今思えば、随分と我儘な子供だったろう
主「私はお父様を止めるが、ヒロトはお父様に
選ばれなければならない。負けるなよ？」
ヒ「……君のチームも、参加できればもっと
良かったんだけどね」
本当に、普通の会話だった
私は普通の会話が幸せだったんだ…
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作者名：美鈴愈 | 作成日時：2019年1月24日 15時
