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収納可能な簡易テントは優秀だった
平らな地があればどこでも眠れる
主「………」
星を見ながら歩いていると、少し先に
イナズマキャラバンが止まってあった
いつの間にか近くまで来ていたらしく
話し声すら聴こえてくる
風「力が欲しいんだ。神のアクアがあれば…
世字子中が使った、神のアクア。あれを
飲めば、すぐにパワーアップできるだろ？
世界を救う為から、使っても許されるん
じゃないか…？」
円「何言ってるんだ！神のアクアなんかに
頼っちゃダメだ！！」
「神のアクア」、人間の身体能力を上げ
神に等しい力を与える飲み物のことか
エイリア石の簡易版のようなあの水は
私も気に入らなかった
円「エイリア学園は、サッカーで人を傷つける。
だからこそ、俺達は正々堂々と戦って、絶対
に勝たなきゃいけないんだ！」
今の言葉は、心を震わせるのと同時に
罪悪感を刺激する刃のようにも感じた
彼らを監視し、戦う姿を傍観すること
自分の立場に嫌気がさしたのだ
主「……お前達が、雷門イレブンか？」
円「！…誰だ！？」
まだ、関わるには早すぎたかもしれない
分かっていても、口は勝手に動いていた
覚悟の楔を外せるキッカケが欲しかった
主「驚かせた。怪しく見えるが、そうじゃない。
エイリア学園と戦うお前達がここにいると
聞いて、少し気になって近くに来たんだ」
見え透いた嘘だが、こうでも言わないと
怪しすぎる。皮肉なことに頭は回る方だ
その場しのぎ程度なら難しくない
円「君も、学校を破壊されたのか？」
主「……ニュースに映っていたあの学校に
通っていた。もう跡形も無くなったよ」
円「……そっか」
学校を破壊された生徒が恨みを持った
だから雷門中に助けを求めに来たなら
辻褄も合うし怪しいところはない
円道守も簡単にこの嘘を信じ込んだ
風「おかしいだろ。こんな夜更けに一人で。
それにその格好、雪道を長い間歩くには
かなり辛いはずだ」
鋭い。真っ直ぐな熱血少年じゃない
冷静に物事を見て、下から支えるような
彼はそんな立場で踏ん張ってきたのだ
円「やめろよ！本当だったらどうすんだ！
学校を壊された辛さは、俺や風丸も！
痛いほど分かるだろ！」
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作者名：美鈴愈 | 作成日時：2019年1月24日 15時
