ハートの海賊団�� ページ7
「サ…」
サボの名前を呼ぼうとした瞬間、ドタドタドタと階段を駆け下りる音がした。
…寝たんじゃないのかい、トラ男くん。
「何急いでるの、アイツ…」
珍しいな。
なんて思いながらサボの体を揺する。
「サボ、寝た？」
そう声をかけるとパッと振り向いた。
いや、動くな。
SB「A！」
「待て」
飛びついてこようとするサボの前に手を出してそう言うと止まった。
ワンコじゃん…
SB「なあ、俺ずっと呼んでたのになんで来ねェんだよ」
「ごめん」
面倒く…忙しかったんだよ。
「傷痛いでしょ」
SB「はは、怒られたよ」
私と話してる時に見せる幸せそうな笑顔。
「私と寝たかったなら言ってよね」
SB「じゃあ今夜」
「おっけーするとは言ってません」
そう言ってデコピンをお見舞いすると嬉しそうに笑うサボ。
「どうしたの」
いつもより少し大人しい気がする。
優しく私の髪に触れるサボ。
SB「夢を見たんだ」
「夢？」
その手を取って握りしめる。
SB「昔の夢」
一瞬、寂しそうな顔をしたサボの見た夢はきっと良い夢なんかじゃない。
SB「だからお前を連れて来た」
そう言って笑った。
「馬鹿だね、サボは」
SB「なんだよ」
「もう昔みたいにはならないよ」
もう誰にも取られたりしない。
忘れられたりしない。
「守られてばっかりじゃあ、ダメだからね」
サボの頭を優しく撫でる。
SB「頼もしいな」
「でしょ？」
だから、早く元気になってね。
そんなやりとりをしてると何かの気配がした。
みんなが顔を上げてドアを見る。
ガチャ
そこに現れたのは…
「あ、みんな！」
BP(ベポ)「A〜〜！ガルチュー！」
「うわあっ、ベポ…！」
ハートの海賊団だった。
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作者名：ちいず 。 | 作成日時：2020年8月21日 23時
