無人島の漂流記⑤ (ページ33)

今日:2 hit、昨日:4 hit、合計:40,665 hit

【過去編】サボの死③ ページ33

そんな安心も束の間。

「サボが死んだ…？」

ドグラから聞かされた事に頭が真っ白になった。
サボが？そんなわけ…

「や、やめてよ。そんな冗談」

DG「冗談じゃニーよ！」

「あ、あはは…まったくもう。ドグラってば変なこと言うんだから」

私の言葉にみんなが目を背ける。

DG「サボは…あいつが貴族の家で幸せだったなら！！海へでる事があったろうか！！海賊旗を掲げて一人で海へでる事があったろうか！！？」

ねえ、やめて。
変な冗談言わないで。

LF「サボ…幸せじゃなかったんだ！！」

AC「何で奪い返しに行かなかったんだ俺達は…！」

嘘でしょ、なんで。
なんでそんな事…

「あるわけないじゃん！サボだよ、サボ…！」

MG「A…！」

「サボは強いんだよ！優しいんだよ！」

涙が溢れそうになるのをグッと堪えた。

「し、死ぬなんて…そんな馬鹿な話でしょ！お願い、冗談だって…嘘だって、言ってよ…」

分かってる。
こんな嘘ついたって意味ないもん。

ドグラはそんな嘘つかないよ。

分かってるけど、駄目なんだ。受け入れられない。

AC「サボを殺した奴をブッ殺してやる！！」

そう言って家から飛び出ようとするエースをダダンが止めた。

DD「やめねぇかクソガキ！！！ろくな力もねェくせに威勢ばかり張りやがって！！」

手が、足が、震え出す。

DD「サボを殺したのはこの国だ！！！世界だ！！！お前なんかに何ができる！！！
お前の親父は死んで時代を変えた！！それくらいの男になってから、死ぬのも生きるのも好きにしやがれ！！！」

嘘でもいいから、サボは生きてるって言ってほしかった。

____SB「すぐ戻る」

そう言って私の頭を撫でたサボが何度も何度も頭の中でグルグル回った。