ゆっくりしたい日 ページ1
朝、目を開けるとなぜかサボの上にいた。
…なんで?????
不思議に思いながらも体を起こそうとしたけどガッシリ腰に回されたサボの腕で起き上がれない。
「サボ…」
昨日の夜は確か、サボだけリビングのソファで寝て私たちはいつも通り上で寝たはず…
SB「ん〜〜…A」
名前を呼ばれてサボを見るけど寝たまま。
…寝言ですか。
幸せそうに眠るサボの頭を触る。
ふわふわした金髪が擽ったい。
「寝てたらイケメンなのに」
喋ったら残念なんだよ…
サボの胸に耳を付けて心音を聞く。
一定のリズムで刻まれる音に安心する。
SB「A」
今度はハッキリとそう呼ばれて顔を上げた。
私の目を見て微笑むサボ。
「おはよ」
SB「ん。おはよう」
サボが体を起こして私もソファに座る。
「私をここに連れてきたんでしょ」
SB「はは、バレたか」
「傷も治ってないのに無茶しないでよ」
包帯に滲んだ血に手を当てる。
傷痕、残るだろうな…
SB「心配?」
嬉しそうにそう言うサボの頰を軽く叩いた。
「余裕そうなの腹立つ」
SB「酷い」
悲しむサボに優しく抱きつく。
SB「え…Aが俺に…!」
「うるさい」
元気なのか怪我人なのかハッキリしてよね…
SB「傷が開いても、お前を独り占めしたくて」
「傷開いたの!?」
SB「ちょっとだけだよ」
「馬鹿、それがダメなの!」
グイ〜ッとサボの顔を押して離れる。
ローを呼びに行かなきゃ。
SB「行くなよ」
「大人しく寝てて」
立ち上がった私の腕を掴んで止めるサボ。
その手を取って離す。
「すぐに戻るから」
SB「…ん」
不満そうにするサボに背を向けてローを呼びに行く。
全くもう。
いつになったら私の心は休まるわけ…
「はあ、嫌だな…ロー起こすの」
寝起き悪いんだよねあの人。
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作者名:ちいず 。 | 作成日時:2020年8月21日 23時