愛は別物�� ページ9
目の前で赤く光るスイッチ。
檻の中で何も言わないみんな。
私は…
「押さない！」
そう言ってチェンジを睨んだ。
「私は大切な人を失いたくない。もう、二度と！」
サボを失った。
エースを失った。
だけど、ふたりとも生きていた。
もう二度とあんな思いはしたくない。
だって、私たちは"信じる"だけじゃないから
CG「俺に歯向かう気か？」
「信じられなくても、愛してるから」
CG「愛だって？はは、笑わせてくれる」
「このニセモノ男…！」
チェンジに暴言を吐くのは息が詰まりそう。
辛くて悲しい。
だけど、この想いがニセモノなんだとするなら。
「もう私はアンタなんか信用しない」
そう心に誓う。
戸惑うのはやめよう。
CG「そうか。残念だ」
そう言うとチェンジはスイッチに手を伸ばす。
その手を慌てて掴んで阻止する。
「何するの！」
CG「いーや？ただ、壊すだけだよ」
「触らせない」
CG「ふ、ははっ！君は勘違いをしているらしい」
チェンジがそう言いながら私の顔を触る。
愛おしそうに私の目を見つめながら。
「な、なによ…」
CG「俺は君を助けたいんだ。A」
「助ける？」
聞き返すと嬉しそうに微笑んだチェンジが頷く。
CG「俺は初めて君を見た時、その美しさに感激した」
思い出すように語り始めたチェンジ。
CG「そして、その能力。なんて儚くて綺麗なんだろう」
「…」
CG「己を犠牲にする力で君は仲間を守る。そして、兄をも救った」
「なにが言いたいの？」
チェンジの手を振り払ってそう聞いた。
CG「全てにおいて君は完璧そのものだ」
ゾワッと鳥肌がたった。
私を見る目が怖かった。
CG「俺はただ、純粋に君を愛してるだけなんだ」
「…っ、触らないで」
CG「だから、君が自らの寿命を使って鬼の子を蘇らせたと聞いて心が苦しかったよ」
グッと強い力で掴まれた腕。
CG「君の命がもったいない」
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作者名：ちいず 。 | 作成日時：2020年7月5日 20時
