潜入捜査�� ページ37
SB「ここから下も見て回るぞ」
「うん」
監視電伝虫が全然いない。
油断してるのか、何なのか…
どっちにしろ好都合だけど。
「他にありそうな場所とかない？」
JE［そうですね…地下には牢獄があるくらいで、あとは…］
そこまでジエルの声を聞いた瞬間サボが私の腕を引いて物陰に隠れた。
「な…っ」
SB「…見張りか？」
なに？と聞こうとした口を押さえられてそっと確認すると兵士らしき人が3人歩いてた。
SB「よし、追いかけるぞ」
「ストーカー…？」
SB「馬鹿、んなこと言ってる場合か」
ついにサボに怒られる日が来るとは…何てしみじみと思ってると腕を引っ張られる。
つ、強いって。
SB「どこに行くんだ…？」
サボの横顔がすごく真剣で…ついふざけたくなる。
わかるよね、この気持ち。
雰囲気壊したくなるタイプ。
兵「はああ…にしても面倒くさいよな」
兵「ああ。わざわざ1時間に1回も確認しなくても」
兵「仕方ねェよ。それほどの"秘宝"らしい」
"秘宝"。
その言葉に私たちは隠れて耳を澄ます。
兵「ま、国民はこの部屋に入れねェけどな」
そう言うとレンガの壁を押した兵士。
ギギィッと音を立ててレンガの壁が開く。
SB「…隠し扉か」
そう、まさにそれ。
そしてそこに現れたのは厳重な扉。
カードのようなものを兵士がかざすとロックが解除された。
兵「あるか？」
兵「おう。あるぜ、《ドールストーン》」
まさかこんなに簡単に見つけれるなんて…
やっぱり運がいいね私たち。
SB「アイツらが気付く前に退散するぞ」
ボソッと耳元で囁いたサボ。
思わず声を出しそうになったのを必死で押さえて全力で頷いた。
すると、サボに担がれた。
そのまま近くの道に逸れて走り出す。
SB「聞こえてたか？」
JE［はい…まさかそんな場所があったなんて］
「これで任務終了？」
SB「今日の分はな」
退散は簡単だった。
猫に姿を変えた私が使用人の気を引いてそのうちにサボが逃げる方式。
「ちょろいね！」
SB「はは、だな」
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作者名：ちいず 。 | 作成日時：2020年7月5日 20時
