【鬼滅の刃】透明な質問に、どうか答えを。

は ページ2

『時透くん、テストどうだった？』




いつも通りの三桁の再生紙を先生から受け取り、自分の席につく。




「いつも通りだけど」




僕がそうぶっきらぼうに言うと君は目を見開いた。




『やっぱり時透くんは凄いね！私なんて散々な点数だよ……』




君の答案用紙にはお世辞にも良いとは言えない、二桁の数字が並んでいた。




『時透くんはどんな風に勉強してるの？』




君は自分の答案用紙を眺めながら縋るような声で言った。




「特に勉強なんてしてないけど」




そう答えると君はさらに目を見開いて




『勉強してない！？……根っからの天才肌か〜……羨ましい……』




と呟いた。




「君は勉強してるの？」




僕がそう聞くと君は少しムッとしたような表情をして




『してるよ！……嫌いだけど！』




と、ぶっきらぼうに答えた。




「ふーん。嫌いならしなければいいんじゃない？」




と僕が少し煽るように言うと、君は




『……でもさ、時透くん、それじゃつまらないよ』




と呟くように言った。




「……つまらない？」




嫌いな勉強をしないとつまらない？




僕が聞き返すと君はいつもの、屈託のない笑顔を浮かべて僕を見た。




『だってさ、やっぱり、“自分はここにいる”って、感じられるじゃん？』




本当に君はよくわからない。




空いている窓から風が舞い込む。




一番窓側の席の君の髪が風になびく。




その光景が妙に神秘的で儚くて、美しくて。




思わず見入ってしまった。

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