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朝目覚めるといい匂いがした
キッチンの方から音がする
そういえば、野良猫拾ったんだっけ
ガチャっと寝室の扉が開く
「蓮、おはよ」
「ん、おはよ」
「勝手に冷蔵庫のモノ使った、ごめん、食べる?」
「食べる」
配慮したりするんだ
昨日は警戒してたから威嚇モードだったんだろうな
朝食は時間ある時は作るけど
最近は忙しくて簡単なもので済ませてた
久しぶりのちゃんとした朝ご飯
「美味い」
「よかった」
「俺今日仕事で出るけどAはどうすんの?」
「図書館で勉強」
へぇ、勉強とかちゃんとするタイプなんだ
第一印象が凄すぎて勝手な偏見の目で見てしまってたわ
「そっか、気をつけて」
「うん」
俺のことに気づいてる様子もないし
多分これ本当に知らないんだな
「Aはテレビ見たり音楽聴いたりしないの?」
「村の家にはテレビなかったし、
スマホ持ってないから聴くこともない」
「そうなんだ」
やっぱり知らなかった
今どきテレビの無い家があるとは…
スマホ持ってないなら連絡の取りようがないな
て、すぐ出ていくんだから必要ないか
「あ、俺夜遅くなるかもしれないからこれ渡しとく」
家に置いていたスペアキー
必要になる時が来るとはな
「…ありがとう」
「帰る気になったらポストにでも入れといて」
「…帰んない」
まあ、そうならそれでいいんだけどさ
「昨日みたいなのには絶対ついて行くなよ」
「うん、分かってる」
「用事が済んだら真っ直ぐ家に帰ってくること」
「うん」
本当にペットみたい
俺も仕事が終わったら真っ直ぐ家に帰ってこよ
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作者名:mgfq | 作成日時:2024年1月3日 20時