野良猫を拾った【黒】 (ページ1)

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野良猫を拾った

野良猫っていっても人間なんだけど

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仕事の帰り道、康二と歩いていたら
制服姿の女の子が道端で倒れてた

昔から捨て犬とかに弱い俺

また康二も人助けには目がない為
見て見ぬふりはできるはずも無かった

「大丈夫ですか？」

やけにでかいリュックだな…

🧡「めめ救急車呼んだ方がええんちゃう？！」

康二が救急車を呼ぼうとスマホを取り出した瞬間
彼女が手を伸ばし康二の腕を掴む

🧡「な、何？！」

「大丈夫だから、どこにも連絡しないで！…お願い」

必死に訴えてくる彼女
そしてまた気を失った

拉致があかない

🧡「ど、どうする？このまま放っておいて何かあったら…」

「俺の家が近いからとりあえず連れていこう、目覚ますまで」

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リビングのソファに寝かす

「それにしてもこのリュックでかいし重いな」

🧡「凄い剣幕で言われてしょうがなく連れてきたけど、
俺達のファンやったりせんよな？」

俺と康二は半信半疑になって
ファンが俺達に近づく為にわざと倒れたんじゃ…と
悪い方向へ考えてしまう

🧡「てか、俺また夜から収録あるから行かなあかんねん」

バッッ！とソファで寝ていた女の子が起きた

🧡「お、起きたでめめ！」

「えっと…ここどこ…誰…」

「救急車呼ぼうとしたら凄い剣幕で止められて
放っておけなかったから、とりあえず連れてきた」

🧡「君、名前は？」

「…皇A」

🧡「すめらぎ…珍しい苗字なんやねー！てちゃうちゃう
なんであそこに倒れてたん？！」

「猛暑にやられてあそこで仮眠してた」

「ただの道路で？」

🧡「寝る場所やないで！家帰って寝な！」

「帰る家なんてない」

シンッと静まり返る部屋

聞いちゃいけない事に触れてしまった感じ

🧡「あかん！時間ない！ごめんめめ俺行かなあかん！」

「ちょ！康二！」

「ごめんー！！」とこの子と俺を2人きりにした

コップに水を注ぎ彼女の前のテーブルに置く

「帰る家ないって言ってたけど本当はどこ？」

「東京からはいろんな交通機関使って6時間の所にある村」

「遠すぎないかそれ…家出？」

「家出じゃなくて上京。家には帰る気は無いから」

「お水ありがとう、お世話になりました」と
彼女はでかいリュックを背負って部屋を出た