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私よりも、年下な隼くん。
あの場所から、手を引いて連れ出してくれて
いきなり抱きしめられて
離してくれたかと思えば
また抱きしめられて
顔は見えなかったけど、頭の上から
「朝起きたら、コーヒー飲む?」
なんて言われた。
その言葉を理解できないほど、
子供でもない私は、
少し戸惑いもあったけれど、
飲む。と、だけ答えた。
身体を離されると、少し悪い顔して
メイク落とすでしょ?と
聞かれたので、もちろん。と答えた。
すると、ドヤ顔で手を引かれて
洗面台に連れて行かれて
隼「見て。」
と、高くて使ったことのない
メイク落としが、そこにはあった。
隼「メイクさんがね、試供品ってくれたやつ」
ニヒヒっと、笑う隼くん。
そっか。
仕事で、少しメイクするもんね。
着替え、持って来るね。と言って
取りに寝室へと行ったのを確認して
鏡に映る、涙で汚れた顔にビックリしつつ
少し嬉しい気持ちで顔を洗った。
それから、顔を拭き終わって
化粧水とかも使わせてもらっても
隼くんは、全く戻って来なくて
寝室に、そーっと覗きに行くと
自分は着替え終えて
私に貸すつもりであったであろうスエットを
握ったままベットの上で息絶えていた(笑)
なんだか、可愛いな。なんて思いながら
少し笑えてスエットを受け取り
リビングで着替える。
着替え終えて、そのまま寝たら風邪引くよ
と肩をトントンと叩くと
ん〜。なんて言いながらモゾモゾと
手探りで布団の中へ。
そんな姿が、愛おしくなって
お邪魔しまーす、と電気を消して
布団へ潜り込む。
なんか、そんな気したけど
勘違いだったのかな。
少し、恥ずかしいな、なんて
思っていたら、
またモゾモゾと動き出して
ぎゅー、と足まで乗せられて
抱きしめられた。
まるで、抱き枕かの様に
抱きしめられたけど
嫌な気は全くなくて、
むしろ幸せな気持ちの中で
私は意識を手放した。
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作者名:まち | 作成日時:2018年3月29日 23時