初恋リピート【HQ】 (ページ3)

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story3.涙ページ3

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「…よかったじゃんっ！！おめでとうっ」
「ありがとう」

出てきた言葉は意外にも祝福の言葉だった。でも発した言葉に感情は全くこもっていなかった。むしろ状況にすべてが追いつかない。え、どういうこと？結婚？日奈子と？なぜ？いや、なぜってことないか。そうだ、忘れていた。

日奈子と倫太郎は高校生のときから付き合っている。

「い、いつプロポーズしたの？」
「昨日」
「え、昨日？」

昨日の今日で私に報告しにきたの？わざわざ？私の疑問を察したのか倫太郎は、ふっと柔らかく笑った。

「Aに1番に伝えたかったから」
「………そっかぁ！！も〜、幸せにしてやれよ！」
「するに決まってんじゃん」

ずるい。ずるいずるいずるいずるい。そんな、私に1番に伝えたかったなんて。そんなこと言わないでほしい。叶わないのに。もう、一生叶わないのに。

「日奈子もAに会いたがってたよ。A先輩に会いたいーってずっと言ってる」
「…はは、日奈子っぽいね」

さっきまでのウキウキな気持ちが嘘みたいだ。ていうかさっきの香水も、なんかもう一気に価値が下がった気分だ。だってその香水は、倫太郎に少しでも意識して欲しくて買ったものだから。…ていうか私、彼女いるのに倫太郎にそんなことしてたのか。最低だな。だからバチが当たったんだ。神様が最後に私に教えてくれたんだ、きっと。

お前の恋は叶わないんだから諦めろ、って。

その日は倫太郎と店で別れた。駅まで送ると言ってくれたけれども断った。1人になってから、いっぱい泣いた。

じゃあね、私の初恋。

叶わなかった、私の初恋。