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you side
天「着いたよ。起きて」
肩をトントンと叩かれる感覚に目を覚ますと、
タクシーが大きなマンションの前に止まっていた。
「あ、すみません…」
天「いいよ、大丈夫？」
「うん、へーき」
そう言ってタクシーをおりる。
エレベーターに乗り込み、慣れたように天くんが回数を押す。
あっという間に到着して、ガチャっと扉が開かれた。
天「はい、どうぞ」
「おじゃまします……
って、あれ？天くん1人なの？｣
ガラッとした玄関には靴がひとつもなくて
耳を澄ましてみてもシーンとしている。
天「とりあえず、入ったら？」
「はぁい」
と、足を進めると突き当たりにリビングの扉らしきものがあった。
「ここ？」
天「うん、入っていいよ」
ｶﾞﾁｬ
龍「わぁ！れいくん！久しぶり！」
楽「天宮か！元気だったか」
「わ、びっくりした…」
快活な十さんと楽さんの低音が鼓膜を揺らす。
龍「最近全然会えてないから会いたいなって思ってたんだ！」
そう言いながら私の手を握りブンブンと振られた。
龍「そうだ、夜ご飯は何が食べたい？なんか作るよ」
「え、悪いですよ」
龍「いいんだ、気にしないで。俺がしたいことだから」
「ん〜何が食べたいだろ…」
正直味覚が戻った訳では無いし、食欲もめっちゃある訳では無い。
返答に困ったけれど、その時父が得意にしてた料理を思い出した。
「肉じゃが……肉じゃがが食べたいです」
楽「肉じゃがかいいな！」
龍「了解、材料買ってくるからゆっくりしてて？」
「え、僕も行きます！」
楽「お前は客だろ、甘えとけよ」
「じゃあ、お願いします…」
楽「ん」
その声と共に頭をくしゃと撫でられた。
「気を付けて」
龍「うん！行ってきます」
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作者名：り ん | 作成日時：2023年1月18日 12時
