私が髪を切った理由9 【アイナナ】 (ページ41)

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tsumugi side

アイドリッシュセブンを終わらせたくない……。
その為に私は何ができるんだろう。

翼を広げて、忙しない日々を飛び越えていくことなのか。

それとも、翼を休ませることなのか。

前、コンサートの後に九条さんに言われたことを思い出した。

九条「アイドリッシュセブンがもし、終わりを迎えるときが来るなら、それは天宮零が天宮零じゃなくなる時だ」

紡「それはどういう…？」

九条「人々を笑顔にするために、どんな時でも笑顔でいられるのがアイドルだ。それはプロとしての努力や義務じゃない。資質だよ」

紡「何を言ってるんですか…？」

九条「天宮零は一時代を作った張本人だからね。
moratoriumの天馬A。
未だにゼロと共に業界にも世間にも蔓延る、伝説だよ」

紡「ご存知だったんですか…？」

九条「もちろん知ってるさ。
僕は彼女の父親と仲が良かったからね」

九条「彼女は、危なっかしいから。
目を離さないように、しっかり見張ってるんだよ」

紡「ちょ……」

九条「じゃあ、僕はこれで失礼するよ」

結局聞きたいことは聞けないまま。

「ちょ、はは！ここのヤマさんの顔やばいじゃん！！
マネージャーも一緒に確認しよ！」

紡「はい！」

天宮零が天宮零じゃなくなる時、
アイドリッシュセブンは終わる_________________

そう言ってた九条さんが想像する未来が来ないように、
今目の前で快活に笑う少女を守ろうと、心に決めた。

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