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banri side
「あ、あの……。
申し訳ないんだけど、個人の仕事少しセーブできないかな…」
日本へ帰ってきてから早2ヶ月。
相変わらずの目まぐるしいスケジュールの中、
れいくんが申し訳なさそうに眉を下げながら口を開いた。
紡「何か、嫌なこととかありましたか？」
「嫌なこととかはない。本当に。
今の仕事に不満は無いけど、ちょっと身体の方がね…」
ノースメイアでの体調不良は、どうやら慢性的なものらしい。
でも正直俺としては、貧血も低血圧も立派な病気だから無理はして欲しくないのだけれど。
ただでさえ細かった身体は、
最近さらに痩せていき、女の子としては大きい身長なのに
ひと回りもふた周りも小さく見えた。
千「Aちゃんが休みたいって言ったらそれ完璧SOSだから」
この前千に言われた言葉を思い出した。
万理「少し、調整しようか」
紡「そうですね、延期できるものは先延ばしにして、
厳しそうなものは他のメンバーで補います。大丈夫ですか？」
「うん、迷惑かけちゃってごめんね」
万理「とんでもないよ。言いにくかっただろ？
教えてくれてありがとう」
個人仕事も増えてきているこの状況。
そして、グループではトップを争うくらい人気を誇るれいくんの少しの間の離脱。
これは、ファンの方に心配をかけないためにも極秘で行うつもりだった。
けれど、1人のファンの方の推測によって、
瞬く間に、世間に広がることになった。
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作者名：り ん | 作成日時：2023年1月18日 12時
