【ヒロアカ】雨と淡赤と少しのお話【死柄木弔】 (ページ9)

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「………」

今日も今日とてあのベンチへと向かう

だけど路地へ入った途端、昨日の彼の言葉が蘇って

簡単に言うと恥ずかしい

いや、期待しちゃうんだ

だって…だってあんなこと…

" …A "

" 上着、淡赤の方がいい "

こんな些細なことで赤面してしまう私は恋愛初心者感満載だろう

でも本当にそうなのだ

今まで好きな人なんて出来たことないし

告白だってされたことない

でも死柄木さんと会うと心が締め付けられ……いや、何思ってんだ私

いやいやいや、

仮に私が彼に恋愛感情があっても、彼が私にあるわけないじゃないか

何を期待してるんだ

昨日の言葉は別に特別な意味があったわけじゃない、うん。

「……なんだそれ、虚し」

死柄木「なにが？」

「いや…1人期待して舞い上がっ＿＿え」

死柄木「舞い上がる？」

「」

いらっしゃったのですね死柄木さん

「…今日も来たんですね」

死柄木「暇だから」

「暇……」

暇だから会いに来てくれるのか

それとも

ただただ本当に暇だから来てるだけなんだろうか

考えれば考えるほどもどかしくなる

死柄木「座りなよ」

「え…あぁ、はい…」

座れと促されれば素直に座る

改めて見ると

死柄木さんって不健康そうだし、
いつもフード被ってるけど

顔、整ってんだよなぁ

死柄木「…Aってさ、この時間にしか来ないの？」

じっ…と彼の顔を(無意識で)眺めていたらしい

声が聞こえればハッと我に返り

「簡単には出歩けませんから」

そういえば

私が入院してる事は知らないんだよな

死柄木「へぇ…」

死柄木「今の生活楽しい？」

「…は？」