花の双子。 (ページ5)

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好きなものページ5

「は？」

とジスはジョンハンの胸ぐらをつかんで
今にも殴りそうな勢いだ

「違うの、ジス。
ジョンハンに泣かされたわけじゃない」

私はジョンハンとジスの間に入る。

「じゃあ、誰かにいじめられた！？」
といつもクールなジスがあせっている

「ううん。目にほこりが入っただけ」
と私が答えると

「目にほこりが入っただけで
そんな号泣するもん？」

とジスは少し笑って
私の涙をぬぐった。

　

良かった。
いつものジスみたいで。

「ジョンハンと付き合うことになったって本当？」
と真剣なまなざしで私に聞いてくるジス

「それは、う…「本当だよ」
それは嘘だよ、と言おうとすると
ジョンハンにさえぎられた。

私はジョンハンの目を見つめる。

どうしてジスに嘘、つくんだろう

「それはAの同意あってのことなの？
無理矢理じゃないの？ジョンハン」

「俺はもうAの傷つく姿も
ブサイクな泣き顔も見たくないから」

とジョンハンは言って

「ブサイクて、失礼じゃない？」
と、私が小さく呟く

「俺が幸せにするから、Aを。
だから、ジスはもうAにかまうなよ、彼女いるくせに」
とジョンハンが強めにジスに言った

なぜ、私はジョンハンが嘘をつくのか分からなかったけど

本当はジスのためを思って言ったことなのかもしれないと思った

来るもの拒まず、去るもの追わず

恋愛に本気になれなかったジスに
本当の恋を見つけさせるために
今の恋に真剣に向き合わせるために

ジョンハンは私と付き合うなんて言う
嘘をついたのかもしれない

私はきっと
ジスの恋愛にとって不必要な人間なんだ

そう思うようにした

「今日は、二人とも夜ご飯は何がいい？
おばさんに、二人の夕食作るの頼まれてたんだった」

と私は手を叩いて切り替える

「じゃあ、二人ともせーのでいくよ。
せーのっ」

「オムライス」
「ハンバーグ」
とジョンハン、ジスが答えた。

「俺は絶対オムライス」
とジョンハンはゆずらず

「僕は、ジョンハンが好きなのでいいよ。
オムライスで」
とジスが控えめに言う。

ジスはいつもそうだ。
自分の好きなものより、他人の好きなものを優先する

「ジスのそういうとこが腹立つんだよ」
といらだったように、ジョンハンが小さくつぶやいた。