彼はただの同居人《Ren.M》Part3

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自分のクラスに戻ってからも


私から逸らされた


蓮くんの冷たい瞳が嫌というくらい脳裏に残った。




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紗 「目黒くんやばかったねー！？またライバル増えちゃうなー」




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やばかった。うん、本当に紗英の言う通り。


胸の奥底がギュッと締め付けられるように苦しくて、痛いかった。




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私、馬鹿みたい…




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蓮くんが居なくなってしまってからも結局、彼のこと忘れられないで居るんだもん。


ここ何日間も蓮くんはきっと帰って来るなんて彼の帰りを信じて待って、




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だけど、彼は結局帰って来なかった。




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その全てはさっきの蓮くんの態度が物語ってたんだ。




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紗 「Aー、やっぱり受付誰かに代わってもらってどこか回らない？なんかもう退屈でしょうがなくって…」



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あ 「いいよ。私一人で受付やってるから、紗英は回って来て？」


紗 「えっ、」


あ 「さっき呼びかけとか頑張ってくれてたし。私はほら、実行委員だからさ…」




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暗い気持ちを隠すように頑張って笑顔を作る。




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『いいの？』


なんて言う紗英にゆっくり頭を頷かせる。




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そんな彼女に冗談混じりで、




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あ 「その代わりお腹空いたからなんか買って来て欲しいなーなんて、」


紗 「任せろ！！じゃあ、ちょっと行ってくるね？」


あ 「うん、行ってらっしゃい！」




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遠のいて行く紗英の背中に精一杯手を振る。




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なんとなく、


今は文化祭を回る気分にはなれなかった。




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このモヤモヤした気持ちを忘れる為にも、あえてここで受付をやっていたい、なんて…


まるで失恋してヤケになってる奴みたいだね。




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あ 「なんか悲し…」




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今まで近かったはずの蓮くんの存在が今はまるで


赤の他人のように思えて、勝手に一人虚しくなってた。





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