彼はただの同居人《Ren.M》Part3

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打ち上げられていく花火は


何ともロマンチックだった。




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今、この花火を見ている瞬間にも


私の右手が大好きな彼の左手に包み込まれて、


嬉しさと愛しさでいっぱいになるんだ。




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目 「後夜祭の花火の途中でキスしたカップルってさ、」


あ 「…？」


目 「ずっとラブラブで居られるって聞いたんだけど、Aはそういうの信じる？」




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隣で蓮くんが口角を上げて微笑んだ。




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そういうの信じるって言われても、




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あ 「うーん。私には分かんないかなぁ…そういうのは、」




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目 「そっ、か。じゃあさ…」




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頬に優しく添えられた蓮くんの温かい手。




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男らしくも、真っ直ぐな瞳が私を捉える。


正真正銘。今の蓮くんは私のことだけ見てくれている。


それが嬉しくて、仕方ない。



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胸の鼓動を抑えるので、必死だった。




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目 「今、ここで試してみちゃおっか…？」




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優しく触れた唇。


数秒間重なり合ったそれは柔らかくて、


心地のよい感触がした。




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ゆっくり離れて行く蓮くんの顔。


満足そうに微笑んだ彼は、私の肩に手を置いて、言った。




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目 「A。俺と付き合って下さい」




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緊張した面持ちで、そう口を開いた彼に、




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あ 「私で良ければよろしくお願いします、」




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そう笑顔で告げると、


どちらからともなく抱き合った。




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貴方のこと。


最初はただの同居人だと思っていました。




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だけど、日が経っていく内に、たくさんの初めてを教えてくれた彼は、


いつからか私の想い人となっていました。




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目 「Aのことこのまま、ずっとギュッってしてたいわ…笑」


あ 「今日は、それでもいいよ」


目 「待って、理性壊れる…」




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想いが通い合った瞬間に、


私達を祝福するかのように


ドーンと大きな花火が音を立てて打ち上げられた。




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蓮くん。




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これからもずっと、貴方のことが大好きです。





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