君しか見えない (ページ32)

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こういう仕事だから自己紹介も慣れたこと

___「自己紹介ありがとうございます。皆さ
　んのこと少しでも知れてよかったで
　す。」

自分ことは言わず自己紹介を終わらせようとする____に思わず自己紹介をするよう促した

___「…わたしは……父子家庭で……小さい頃から家に1人でいることが多くて……だから1人でいることに慣れてて……」

___の笑顔がだんだん薄れてく

公園で出会った時と同じ顔

どう声をかけたらいいかわからなかった

ただ泣く___の姿を見ることしかできなかった

如「大丈夫？辛かったんだね…でも今は1人じゃないでしょ？ね？こうしてみんなと笑いながら話してる時点でもう___ちゃんは幸せ者なんだよ」

「っ…」

動揺している俺とは違って

優しい顔で____に声をかける如恵留

自然と涙が出そうになった

___「うぅ…ひっく…うぅ…っ…」

その瞬間

___は声を出して泣いた

気が済むまで泣き続けた

その姿を見て

全てを話してくれたような気がした

もうこの子の泣き顔を見たくない